CBD製品を作ろうと思っても、まず何から始めてたらいいのか、実際にどのような流れで商品化が進んでいくのか、イメージしにくい人も多いでしょう。
今回インタビューを行ったのは、「CHILLTECH(チルテック)」を弊社でOEM製造した株式会社エクステアーズ 代表取締役の村田将幸さん。なぜCBD業界に参入しようと思ったのか、どのような層にアプローチしようと思ったのかなどのお話を伺いました。
株式会社エクステアーズ ガジェット系メディア「ABSマガジン」の編集長を務めつつ、7年以上にわたって「AppBank Store」WEB店を運営。年間300製品を超えるスマホアクセサリー全般をはじめ、オーディオ機器なども数多く試し、レビューしている。2020年10月に、株式会社エクステアーズを設立し、CBDメディアの運営やCBDデバイスの企画販売を行う。2022年2月、自社ブランドでCBDベイプを製造。 |
実体験の睡眠障害が、CBD業界参入のきっかけ
普段は、株式会社AppBank Store(スマホアクセサリーやガジェットの小売事業を展開)が運営する、ガジェット・モノ系ウェブメディア「ABSマガジン」にて編集長をしている村田さん。なぜ今回、CBD業界に目を向けたのでしょうか。 |
ーーCBD業界は、普段関わられている領域とまったく異なりますが、なぜ参入しようと思われたのでしょうか。
村田さん:普段パソコン仕事で、寝れない日が続いたことがあったんです。サプリを試したり、食生活を見直したりもしてみましたが、改善されませんでした。その時CBDと出会い、試してみて良さを実体験したんです。
特に、入眠しやすくなったと感じています。夜ベッドにつくと、あれやこれやと仕事のことが頭をよぎり寝付けなくて焦る。気づくと明るくなってきて、またさらに焦る。寝たか寝てないか、わからないような状態で目覚ましが鳴り、重たい体にムチを打ち、睡眠不足で仕事に取り掛かる、そんなことが常態化していました。
CBDを使い始めてから、寝付きが早くなったと感じるようになったんです。おかげで朝起きたときの、どんよりとしたダルさが軽減され、仕事の生産性が上がったように思います。
こんなに良いものがなぜ広まらないのか、不思議に思って調べてみたら、大麻由来のものだと初めて知りました。正しい情報を発信し、CBDを受け入れてもらうことで、寝れずに困っている社会人に広まってくれたらと思っています。
ーー実体験がきっかけなんですね。CBDの存在を知ったのは、いつぐらいでしょうか。市場の広がりなどもチェックされていたのでしょうか。
村田さん:2020年くらいだったので、結構最近ですね。それまで、なんとなくワードは知っていましたが、調べたりとか実際に使ってみよう、とまではいかず、2020年後半から2021年にかけて使い始めました。
ただ、CBD特有の味で苦味も感じることがあったので、「おいしいCBD」を自分で作りたいと思ったんです。それから、どういうブランドがあるんだろうとか、認知の広がり具合、市場規模の大きさなどをリサーチし始めました。
ここ数年、オンラインではGoogle トレンドで右肩上がりだったり、YouTubeでCBD製品を使用している人が増えています。オフラインでは、百貨店などでCBD製品を見かけることも多くなっています。オンラインとオフラインを総合的に鑑みて、参入を決めました。
僕のように、CBDを今まで使ったことがない人から見ると、大麻由来の成分で、しかもアンダーグラウンドなユーザーが多いイメージなので、手にとるにはハードルが高いんですよね。
でも、商品コンセプトをカフェにすれば、入り口としては誰でも入りやすいだろうと考えました。どんな味が良いのか参考にするために、都内のカフェ巡りなどもかなりしたんですよ。Instagramで人気のカフェを中心に、商業施設に入っている大きめなカフェから、路地裏の小さなカフェまでさまざまなジャンルを巡りました。
大麻やCBDなどは、もともと関わりのなかった業界なのにも関わらず、ビジネスを始めようと考えた村田さん。睡眠障害に悩む人が多い現代社会において、CBDの需要は今後高まっていくと予想されています。 |
製品製造のこだわりは、やみつきになる繊細な味
ーーオイルやエディブルなど、いろいろな商品がある中で、なぜベイプを選ばれたのですか?
村田さん:やっぱり、ベイプの味は表現の幅が広いんですよね。香りもあって癒される。
あと、ベイブはどうしても吸う作業が発生するじゃないですか。その時間だけは、ベイプを吸うことに時間を費やすことになりますよね。時間的な余白を持てることも、ベイプの良さなんです。
時間の余白と癒しの香りが組み合わさることで、心の余裕を保てる。今回の商品コンセプトは、空想上の世界で、カフェ「mergin」(余白)を出店していて、そのカフェで新メニューを出しました、というストーリーなんです。
ーーベイプの味にこだわられていたのは、カフェのストーリーがあるからなんですね。それぞれのフレーバーのイメージなどをお伺いしてもいいですか?
(左から、ビターエスプレッソ、レモネード、フレンチトースト、マサラチャイのフレーバー)
村田さん:ビターエスプレッソは、コーヒーの苦みが、がつんとくる味。お仕事の切り替えのタイミングで吸うのもいいですし、朝に吸引すれば、シャキっとするような濃さがあります。
私、仕事などの作業中にコーヒーをたくさん飲むんですよ。でもカフェインを取りすぎるのもよくないので、1日5杯コーヒーを飲むところを、このベイプで3杯に抑えられる人が増えますように、という裏の意味合いも込めて、コーヒーのフレーバーは絶対に作りたかったんです。
マサラチャイは、まったりしたい時におすすめですね。でも、ただ単に甘いだけではなく、ちょっとクセになるような後味を残しました。やみつきになるような、スパイシーさを表現しています。
レモネードは、スッキリ感を出しています。ミント系のように、ただ単にすーっとするだけではなく、その中に砂糖と蜂蜜がちょっとブレンドされた感じを残しておきたかったんです。お風呂上がりに吸っていただくと爽快感があり、いいと思います。
メイプルフレンチトーストは、ミルクをたっぷり染み込ませたものを焼いたようなジューシーさを出したく、かなりこだわりました。ほんのりと香ばしさも感じられます。寝る前のリラックスした夜に、おすすめですね。
ーーどれもとてもおいしそう…!
村田さん:味はもちろんこだわりましたが、やはり効果実感も大切にしたいです。OFFさんで取り扱っている原料は、オーガニック認証を取得しているので、よりナチュラルで質の高い商品が作れると思いました。
出典:OFF株式会社
(OFF株式会社は、USDAオーガニック(無農薬栽培を示すアメリカ農務省による認証)、NON GMO(遺伝子組み替えを行った作物を不使用)、GMP(医薬品の製造と品質管理に関する基準を示すFDAによる認証)、GRAS(一般に安全とみなされる食品に関するFDAの認証)などを各工程で取得しております。)
ーー「CHILLTECH(チルテック)」の名前の由来はなんですか?
村田さん:「CHILL & TECHNOLOGY」の略です。チルって、葉っぱを紙で巻いて吸うのでアナログの要素がありますが、ベイプは電子機器ですよね。テクノロジーが進化し、電子機器を通じてチルができるようになった、言わばアナログとデジタルが融合したものが、CBDベイプだと思ったんです。
テクノロジーの進化に合わせて、2.0、3.0などと呼ばれるように、僕たちも進化していきたいという思いも込めて「CHILLTECH1.0」と言う名前をつけました。
先ほどもお伝えしたように、CBDはいわゆるアンダーグラウンドのユーザー層がコアな印象なので、僕らのようなライト層から見ると、少し遠い存在に感じるんですよね。でも、現代人は不眠や不安、ストレスに悩まされている。睡眠障害で悩んでいて、明日の仕事に支障がないようにしたい、そんな人においしく使ってもらいたいですね。
そのために、CBD商品購入のハードルを下げ、親しみやすいようなブランドを作ろうと心がけています。例えば「フレンチトースト」と言われたら、想像つくじゃないですか。
ーー確かに、普段食べているものの味がしたら親しみやすさを感じますね。ほかに、ベイプを作る上でどういう所にこだわられましたか。
村田さん:僕がずっとガジェットに携わってきたので、Apple にインスパイアされてるところは結構あります。なるべくシンプルかつ持っていること自体がファッションのような感覚を意識しました。ロゴはベイプということを一発で想起させたかったので、口から水蒸気が出ているようなカタチにしています。
名前や味、デザイン、など、ご自身のこだわりがギュッと詰まったCHILLTECH(チルテック)。OFFのメンバーも、村田さんの商品が届くべき人の元へ届くことを祈ります。 |
同じ方向へ一緒に向かってくれそうなのが、OFFだった
ーー数あるOEM製造の会社の中で、なぜ弊社を選んでいただいたのか、お伺いしてもよろしいでしょうか。
村田さん:味の細かいこだわりを、一番一緒になって取り組んでくれそうなところを探していて。OFFさん以外にも検討したのですが、大体の会社さんが面と向かってキャッチボールをするようなイメージだったんですね。
OFFさんの場合は、どっちかと言うと横についてくれて、同じ方向を見るような打ち合わせをしてくれました。細かい要望を聞いてくれたり、実現したいプロダクトを一緒になって作ってくれそうだなと感じたんです。実際に、カフェシリーズというコンセプトを具現化していくときにアイデアを出し合っていただいたり、何テイクもして施策を作ってくれました。
(CHILLTECHのCBDベイプを製造した、弊社製造担当の篠崎(左)と村田さん(右))
村田さん:特に味に関しては、かなりイメージ通りです。いわゆるOGクッシュとか、ミントとかアップルのような定番の味ではなく、超繊細なものを表現していただいたので。
メープルフレンチトーストは、ミルクがたっぷり染み込んだパンを焼いたときの香ばしさを何度も調整したり、マサラチャイは、砂糖だけの甘ったるい感じを出しすぎず茶葉との絶妙なバランスを何度も探っていただきました。製造の篠崎さんは、科学的というよりも、アートっぽいセンスを持っていらっしゃるな、と感じます。
ーー今後は商品をどのように展開していきたいですか?
村田さん:フレーバーに関しては、カフェシリーズなので、ドリンク・フードのメニューを広げていきたいです。架空のmerginカフェも、現実になったら面白いですよね(笑)。
CBD需要の広がりとともに、ダメ。ゼッタイ。文化を乗り越える
CBDベイプ製造後、2022年4月16日(土)、渋谷の北谷公園で開催されたCBD JAPAN MARKETにて、CHILLTECHを初めてリアルな場所で販売した村田さん。CBD業界ならではの体験もあったと話します。
村田さん:CBD JAPAN MARKETでは、女性の方がすごく目に留めてくださったんです。実際に購入してくださった方の7割くらいが、女性だったんですよ。カフェフレーバーだと、親近感持って接してくれて。
ーーブースに来られた方は、もともとCBDを知っている女性たちが多いんですか?
村田さん:半々くらいでしたね。これなんですか?と聞いてくれた人には、CBDの説明をしました。タバコではないんですけど、睡眠に悩まされているなら、リラックス・チルできていいですよ、と言うと、それなら試してみようかしら、と言って買ってくださる方もいました。
ーーでも、最初にCBDの説明をするときは、大麻から採れる成分です、という説明から始まりますよね?そこで抵抗感を示される方はいないのでしょうか。
村田さん:そうですね。いなくはないですが、きちんと説明をすれば理解していただけました。OFFさんから成分分析表を出してもらいエビデンスを示したりなど、CBDにはまず理解をしてもらう工程が必要ですね。その部分は、業界特有のものだと感じます。今まで僕がやってきた、ガジェットなどのマーケティングとはまったく別物ですね。
例えば、広告が出せなかったり、モール出品の規制、薬事法の問題など、色々と課題はありますが、僕が個人的に一番難しいなと思うのは「ダメ。ゼッタイ。文化」。やっぱり初めて聞くものに対して、抵抗感が生まれるじゃないですか。
クラウドファウンディングも、最初は一部の人から詐欺扱いされていましたが、今はもう当たり前のように受注販売されています。おそらく、CBDはこれからどんどん広がっていくだろうし、世の中に普及された方が豊かな人生を描ける人が増えると思うんです。いかにこの心理的なハードルを崩していくか、乗り越えていくか、絶賛苦戦中です(笑)。
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