CBDは不眠症を改善できる?睡眠の質の向上やレム睡眠の減少に期待
CBDオイルは病院で処方されるような、専門的な薬として認可されてはいないものの、睡眠をサポートするものとして日常的に使用している人もいるようです。睡眠薬を使用することに抵抗がある人は、CBDオイルを試してみようか、迷っている人もいるのではないでしょうか。
CBDオイルは病院で処方されるような、専門的な薬として認可されてはいないものの、睡眠をサポートするものとして日常的に使用している人もいるようです。睡眠薬を使用することに抵抗がある人は、CBDオイルを試してみようか、迷っている人もいるのではないでしょうか。
大麻が身体に与える影響については、まだまだ解明されていないことがたくさんあります。 大麻の使用が膀胱に与える影響を詳しく調べることで、これまで誰も疑問に思わなかった新しい研究がAmerican Journal of Medicineに発表されました。 研究者たちは、大麻使用者は不使用者に比べて過活動膀胱(膀胱が過敏になる疾患)になる可能性が高いことを発見しました。
生命の維持や、身体の機能調整に深く関わっている自律神経。その自律神経のバランスが崩れると、めまいや動悸・睡眠障害など、さまざまな身体症状が発生すると考えられています。また、自律神経の不調が原因で症状が発生する場合、「自律神経失調症」と診断されるケースがあります。 今のところ、CBDと自律神経の具体的な関係を知るためには、さらなる研究が必要です。しかし、睡眠のサポートや抗不安作用を通して、CBDは自律神経失調症の症状を改善できる可能性があります。 この記事では、CBDと自律神経の関係性や、効果が期待できる症状についてご紹介します。 自律神経失調症とは? 自律神経失調症とは、「自律神経」のバランスが崩れ、心や体にさまざまな症状が出ている状態を指します。日常生活に支障が出てしまう場合が多いものの、症状の原因となるような異常が見つかりづらいため、困っている患者さんが多いと考えられています。 具体的な症状例は、以下の通りです。 ■身体症状 動悸、めまい、倦怠感 血圧上昇 睡眠障害 食欲低下 下痢、便秘 不眠、頭痛 頻尿、残尿感 手足のしびれ ■精神症状 イライラ、不安、焦り 集中力低下 気分の落ち込み、情緒不安定 (画像引用)出典:自律神経失調症~なんとなく不調、ありませんか?~ 症状の種類や強さは、患者さんによってかなり個人差があります。また、うつ病や不安障害など、精神疾患と似たような症状が出ることもあるため、自律神経失調症かどうか判断するのは、難しいと言われています。 名前の通り、自律神経失調症は自律神経のバランスが大きく影響していると考えられています。 自律神経とは、私たちの体に広く存在している神経です。心臓や胃腸などの臓器や、血管のコントロールなど、生命活動を常に調整してくれています。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、それらが交互に働くことで、私たちの体のバランスが保たれています。一般的に、交感神経が「アクセル」、副交感神経が「ブレーキ」の役割を果たすと考えられています。 (画像引用)出典:自律神経って何? 自律神経のアクセルとブレーキは、身体機能を調整するためにはどちらも必要です。しかし、働きのバランスが崩れると、自律神経失調症の症状が現れやすくなります。例えば、交感神経が強すぎると、心臓の動悸が起きやすくなり、副交感神経が強まると、立ちくらみが発生しやすくなります。 自律神経失調症は、生活リズムの乱れやストレス、環境の変化、ホルモンの影響など、いろいろな要因が関係していると考えられています。治療方法はまだ確立されていませんが、生活習慣の改善や薬物療法、カウンセリングなどが行われることが多いようです。 参考出典:自律神経失調症とは何か?うつ病との違いを正しく理解しよう出典:診療科目/自律神経失調症出典:池澤クリニック|自律神経失調症...
統合失調症とは、ものごとの認知能力や感情コントロール、意思決定力などが大きく損なわれる深刻な精神疾患です。治療が難しい精神疾患として知られており、症状も多岐にわたります(幻覚や妄想、意欲低下など)。 最近の研究では、CBDが統合失調症の治療に使用できる可能性があることが分かってきました。既存の治療薬と比べて、副作用が少ないことを示す研究事例もあります。一方で、大麻の使用が統合失調症を悪化させると考える専門家も少なくありません。 この記事では、CBDが統合失調症の治療手段として期待されている理由や、最新の研究事例をご紹介します。 統合失調症は100人に1人がかかる? 日本の統合失調症患者数は、約80万人いると言われています。また、世界の人口のうち、一生の間に統合失調症にかかる確率は、全体の0.7%だと推測されています。発症する確率が比較的高い病気ですが、統合失調症の病因はまだはっきりとは分かっていません。 統合失調症になると、さまざまな種類の症状が現れることがあります。具体的には、発症後に現れる「陽性症状」と、発症前の健康状態が損なわれる「陰性症状」に分けられます。 (画像引用)出典:統合失調症とは? ■陽性症状 幻覚や幻聴 妄想 思考の障害(考えや行動にまとまりがなくなる) ■陰性症状 意欲の低下 抑うつ、倦怠感、引きこもり 感情が乏しくなる 統合失調症の患者さんは、思考や行動、感情などをまとめる能力が低下していると考えられています。本人には幻覚や妄想(悪口を言われている、監視されているなど)と、実際に起きている出来事との区別が付きにくく、なかなか病気に気付けないケースも多いようです。 陽性・陰性症状以外にも、認知機能に障害が起きることが知られています。主な症状は、集中力や記憶力、処理能力の低下です。仕事や勉強に対する集中力や、物事をこなす処理能力が大幅に落ちてしまいます。 このように、統合失調症にかかるとさまざまな症状が現れ、仕事や学業、人間関係に大きな影響が及んでしまう可能性があります。 参考出典:厚生労働省 | みんなのメンタルヘルス出典:日本精神神経学会 | 統合失調症について出典:Mayo Clinic |...
リラックス効果だけでなく、美容や健康面でも注目が集まっているCBD。実はCBDが、虫歯や歯の健康に良い影響があるという歯科医の意見が多いことは知っているでしょうか? この記事では、CBDが歯垢の細菌を減らせるとわかった研究や、海外の歯科医が言及するCBDの歯にもたらす効果などをご紹介していきます。 CBDは虫歯や歯周病の原因となる歯垢を減少させる (引用)出典:歯垢(プラーク)と歯石の落とし方|ライオン 虫歯は、歯垢(プラークとも呼ばれる)が溜まることで発症する病気です。歯垢とは、食べものの残りカスが歯の表面につき細菌が繁殖したもの。 CBDによる歯垢の除去は、海外でも日本でも注目が集まってきているようです。 海外|合成オーラルケア製品と比較すると、CBDは歯垢を減少させる 海外では、このヒトの歯垢を使用して、CBDが虫歯に効果があるのかを調査した研究があります。 2020年のベルギーで行われた研究では、CBDを含むカンナビノイドが歯垢を減少できることが明らかになりました。 ▼研究概要 対象者:18 歳から45歳までの60人の成人 研究方法:成人60人を、DPSIと呼ばれるオランダの歯周病スクリーニング指数(歯周病のリスクがどれくらいあるか)に基づいて6つのグループに分類。それぞれのグループに、CBDを始めとするカンナビノイドを含んだシャーレ(実験用の浅いお皿)と、合成オーラルケア製品の成分を含んだシャーレの2種類を用意し、歯垢をつまようじで収集してそれぞれの中に広げました。 お皿①シャーレA(CBD、CBC、CBN、CBG) お皿②ペトリB(CBGA、オーラル B、コルゲート、カンナビテF) その後シャーレを密閉し、培養してコロニー数(歯垢のかたまり、集落)を数えました。 結果:カンナビノイドは、オーラルBやコルゲートなどの確立された合成オーラルケア製品と比較して、歯垢内の細菌コロニー数を減らすのにより効果的であることがわかりました。カンナビノイドは、歯垢関連細菌に対する効果的な抗菌剤として使用できる可能性があります。 上記の研究では、合成のオーラルケア製品と比較した際、CBDを含むカンナビノイドの方が歯垢のかたまりであるコロニー数を減少させることができるとわかりました。 2022年現在、私たちが普段使用している歯磨き粉やオーラルケア製品は、基本的に合成のものが多く販売されています。合成抗生物質でのケアと比較した際に、できるだけナチュラルなものを利用したいという人は、CBD製品は良い代替手段になり得るかもしれません。 CBDの医療面における研究は大抵マウスで行われることが多いですが、上記の研究はヒトで行っていることもあり、現実的に今後カンナビノイドによる歯のケアが普及していく可能性が高いと捉えられます。 参考 出典:Comparison of Efficacy of...
IBS(過敏性腸症候群)とは、腹痛や便秘、下痢等の症状が慢性的に続く病気です。日常生活に支障をきたすことも多く、10人に1人が発症すると言われています。 病因はまだ解明されていませんが、ストレスや自律神経の乱れが一因だと考えられています。また、近年ではCED(エンドカンナビノイド欠乏症)との関連性が指摘されており、CBD等のカンナビノイドも治療手段として注目されています。 CBDには炎症や不安を抑える作用があると考えられているため、IBSの症状改善につながる可能性があります。しかし、科学的に効果を証明するには、今後さらなる研究が必要です。 IBSは機能性の疾患? IBSにかかると、腹痛や腹部の膨張、便秘や下痢などの症状が長期間続きます。消化不良や胸痛、吐き気などの症状が表れることもあり、不安やうつ病などの精神疾患とも関連性が高いと考えられています。 (画像引用)出典:Cannabis for IBD: Can it help? IBSは、患者さんの日常生活の負担が大きく、罹患率が高い(世界的には10〜15%)病気として知られています。しかし、検査を行なっても臓器や消化器官に異常が見つからないのが一般的です。そのため、症状に基づいて診断される腸の機能性疾患に分類される病気です。 IBSの病因は、まだよく分かっていません。ストレス等が引き金となり、大腸が過敏になった結果、下痢や便秘などの症状が発生するという説が主流です。また、脳と消化器官をつなぐ神経を制御するセロトニンやガストリンなどの化学物質が関係しているという説もあります。 近年だと、IBSがCED(エンドカンナビノイド欠乏症)や不安症状と関連していることを示唆する研究もあります。 参考出典:過敏性腸症候群出典:The Microbiome and Irritable Bowel Syndrome – A Review on the Pathophysiology,...
特に中高年以降の年代に多く発症する帯状疱疹。80歳までに約3人に1人はかかると言われているほど、他人事とは言えない、発症率の高い病気です。 CBDは、帯状疱疹後の後遺症である、神経痛に有効な可能性があります。実際に日本でも、痛み止めとして使用している人もいるようです。 帯状疱疹はウイルス性の疾患 CBDは神経痛の痛みを抑える? 帯状疱疹は、加齢、疲労、ストレスなどによる免疫力の低下により発症します。子供の頃にかかった、水ぼうそうのウイルスが体内に潜伏しており、再度活性化することで発症する人が多くいます。 出典:帯状疱疹って?|マルホ株式会社 CBDが帯状疱疹に有効だというエビデンスは多くはありませんが、CBDがウイルス性疾患において潜在的に有効性があると主張している論文もあります。 しかしあくまでも研究段階なので、CBDが帯状疱疹のウイルスそのものに対し効果があり、治療やケアを行う上で実用性があるかどうかは何とも言えません。 抗ウイルス作用よりも、現時点(2022年9月)では、CBDは帯状疱疹後の後遺症として残る神経痛に有効な可能性の方が濃厚と言えます。現に日本の医療機関で、神経痛の鎮痛剤として使用されている事例もあるようです。次の章で、詳しく紹介していきます。 参考 出典:帯状疱疹の原因から症状・予防について|グラクソ・スミスクライン株式会社出典:帯状疱疹って?|マルホ株式会社 日本でも、帯状疱疹の神経痛にCBDオイルを使用 CBDに抗ウイルス作用があるのかはまだ研究段階ではありますが、帯状疱疹の症状として現れる、神経痛の痛み止めとしてCBDオイルが使用されているケースも多くあるようです。 内科や心療内科の診療を行っているナカムラクリニックでは、帯状疱疹後の慢性神経痛患者に実際にCBDオイルを使用してもらい、そのレビューについて患者がコメントをしています。 すごくよく効きました。しかもすぐに、です。 飲んで1時間くらいして、みたいな悠長な効き方ではありません。飲んで数分で、痛みがすっかりなくなっていることに気がつきました。信じられません。3年間悩み続けた痛みが、3分で消えたんです。こんなことってあるでしょうか。 感動しました。感動して、、、先生、すいません。1日2回服用、と言われていたところ、初日は6回使ってしまいました。だって、痛みがなくなるのが、本当にうれしかったので。私は今まで何をやっていたのか、という気持ちになりました。一時的に紛らわせるだけの薬や注射ばかりに、お金と時間を費やして。もっと早く出会いたかったです 出典:慢性痛とCBDオイル|ナカムラクリニック もちろん個人差はありますが、この患者はCBDオイルを摂取してからわずか数分で痛みが引いたとコメントしています。 また、医療法人 仁愛会が運営するミューズ皮膚科ペインクリニックでも、帯状疱疹後の症状として現れる痛み止めとしてCBDオイルやクリームでケアすることをおすすめしています。摂取方法は、オイルなら舌下に垂らし、クリームなら皮膚に直接塗ります。 なぜこのように、CBDが神経痛に有効なのでしょうか。人間の身体には、エンド・カンナビノイド・システム(ECS)という神経伝達物質が備わっています。睡眠や食欲、体温、消化などの人間の身体機能は、ECSによってコントロールされているのです。 ECSは、カンナビノイド(CBD)がカンナビノイド受容体に結合することで機能しているため、CBDを摂取することすることで、このECSに作用していると考えられています。 参考 出典:Cannabidiol for Viral Diseases:...
緑内障とは、目の神経がダメージを受けて、視力低下や視野の狭まりを引き起こす眼病です。根本的な治療方法はなく、進行を食い止めるために薬物療法や手術を行うのが一般的です。 緑内障は、いくつかの国や州で医療大麻の対象疾患に指定されています。また、最新の研究からは、CBNが治療に有効活用できる可能性があることが分かってきました。一方で、CBD単体の使用が症状を悪化させる可能性も指摘されており、緑内障とカンナビノイドの関係は少し複雑です。 この記事では、緑内障に対するカンナビノイド(CBDやTHC)の効果について、現時点で分かっていることをご紹介します! 緑内障治療と眼圧の関係 緑内障の発症原因は、まだ正確には分かっていません。しかし、緑内障の症状である「視力の低下」や「視野の狭まり」は、眼圧の上昇が大きく影響していると考えられています。 (画像引用)出典:緑内障とは 眼圧が高くなりすぎると、視神経が圧迫され、ダメージを受けてしてしまいます(眼圧の上昇を伴わない緑内障もあります)。また、視神経のダメージは元に戻せないため、緑内障を放置すると失明に至る可能性があります。そのため、緑内障の症状進行を食い止めるためには、早期発見して眼圧を下げることが最も有効だとされています。 参考出典:緑内障は何が原因で発症するの?治療方法や予防方法も紹介出典:医療法人社団 海仁 | 緑内障出典:MSDマニュアル | 緑内障 医療大麻(THC)は緑内障に効果的? 緑内障は、アメリカ政府が初めて医療目的での大麻使用を認めた疾患です。 大麻が緑内障の症状緩和に繋がると言われている理由の一つは、眼圧を下げる効果がある可能性が高いからです。大麻に含まれるカンナビノイドのうち、主にTHCの作用が眼圧を下げると考えられています。 これまでの研究によって、THCに眼圧を下げる効果があることは、幅広く認められるようになりました。しかし、緑内障に対して大麻の使用を推奨する専門医が少ないのも事実です。科学的な研究事例が少ないことに加えて、効果の持続時間の短さが、緑内障の治療に適していないと考えられているからです。 50年前から知られていた眼圧低下効果 大麻が眼圧を低下させる効果があることは、1970年代から知られておりました。1971年に実施された研究では、大麻の摂取によって眼圧が25%〜30%下がることが報告されています。 さらに、1976年の連邦刑事裁判(アメリカ)では、大麻の使用が医療上必要だと判断された結果、栽培の罪で起訴されていた緑内障患者の方(ロバート・ランドール氏)が無罪となりました。 (画像引用)出典:Using Marijuana to Treat Glaucoma ...
炎症や不安等を軽減する効果が期待されているCBD。近年の研究から、原因不明の慢性痛(線維筋痛症)の治療にも使用できる可能性があることが分かってきました。 線維筋痛症とは、身体に痛みやこわばりが発生する疾患です。痛みに加えて、不眠・頭痛・うつ気分など、様々な症状が併発するケースも多くあります。病因は、まだはっきりとは分かっていません。 この記事では、CBDが線維筋痛症の治療手段として期待されている理由や、関連する研究事例をご紹介します。 線維筋痛症とは 線維筋痛症とは、全身に強い痛みやこわばりを引き起こす「慢性疾患」です。主な症状は「慢性的な痛み」ですが、疲労感や睡眠障害、頭痛・うつ気分など、多様な症状が併発することでも知られています。 厚生労働省の調査(2003年)によると、日本人口の約1.7%(約200万人)が線維筋痛症だと言われています(欧米では人口の約2%が患者であるという推測も)。また、推定発症年齢が「約44歳」、男女比が約「1:5」であるため、成人女性に多い疾患だと考えられています。 (画像引用)出典:線維筋痛症について 一部の症状がリウマチと似ており、混同されることもありますが、線維筋痛症は関節や筋肉の損傷・炎症を引き起こしません。しかし、慢性的な痛みと多様な症状は、患者さんの「生活の質」を著しく損ないます。また、検査を行っても身体的な異常が見つからないため、診断が遅れることも多いようです。 参考出典:線維筋痛症出典:リウマチ情報センター 線維筋痛症出典:Fibromyalgia出典:Everything you need to know about fibromyalgia 原因は脳の機能障害?CBDが期待されている理由とは 線維筋痛症の正確な原因は、まだ不明です。しかし、痛みの発生箇所を検査しても異常が見つからないため、脳の機能障害が原因という説が有力です。 脳画像検査や一部の研究から、線維筋痛症を持つ患者さんは「痛みの伝達や受信を行う神経回路」が変化している証拠が見つかりました。また、患者さんは痛みに対する感受性が高いことも分かっています。 (画像引用)出典:線維筋痛症に伴う痛み さらに、2016年の研究ではエンドカンナビノイド不足が線維筋痛症や偏頭痛などの「慢性痛」を引き起こす可能性が示されました。 エンドカンナビノイドとは、エンドカンナビノイドシステム(ECS)の構成物質です。そして、ECSとは私たちの身体機能を調整してくれる「体内システム」のことです。中枢神経を含め、ECSは様々な身体機能や感情と関連性があると考えられています。 (画像引用)出典:OUR ENDOCANNABINOID SYSTEM CBDを始め、カンナビスに含まれるカンナビノイド成分は、ECSに働きかけることが知られています。特にCBDには、以下の作用があると考えられています。 痛みや炎症を制御するECSの受容体に作用する。 エンドカンナビノイドの生産量を高める可能性がある。 そのため、CBDの使用が「エンドカンナビノイド不足の改善」と「慢性的な痛みの緩和」に繋がる可能性があります。また、睡眠障害やうつ気分など、線維筋痛症の多様な症状にCBDが効果的だと考える人々もいます。 参考出典:Fibromyalgia出典:How...
SSRIやSNRI、NaSSAなど、さまざまな種類がある抗うつ薬。吐き気や食欲不振、下痢、頭痛など、副作用を強く引き起こすものも多いため、生活に支障をきたすことも。 2022年現在「CBDが抗うつ剤の代わりになる」と言えるエビデンスは、まだ十分ではありません。一方で、世界情報機構(WHO)や日本の医療機関でも、うつ病に対するCBDの治療効果に期待が高まっているのは事実です。 抗うつ剤と比べると、CBDは副作用が少ない 薬物療法ではなく、基本的には十分な休養をとって対処することが良しとされるうつ病。CBDはリラックス効果があり、しかも自然由来の成分のため体にいいのでは、と考えた人もいるのではないでしょうか。 うつ病に対し、CBDオイルは治療的な使い方ができる、とは言いきれないのが現状。ただし、CBDが治療効果を有する可能性のある精神疾患として、世界情報機構(WHO)も以下を報告しています。 ・精神障害・不安・抑うつ 2021年に公開されている、デンマークで行われた調査によると、397人のCBD使用者における使用理由のうち、うつ病を軽減させるために使用している人は約15%ほど。 日本では、まだまだ嗜好目的で使用している人が多い印象ですが、海外だと身体や精神のサポートを目的に使用している人はごく普通にいるようです。 出典:Reasons for cannabidiol use: a cross-sectional study of CBD users, focusing on self-perceived stress, anxiety, and sleep problems|Journal of Cannabis Research また、WHOは医療使用におけるCBDの副作用に関して、「毒性あるいは重篤な副作用の兆候なく、すべての患者に忍容性があった。」と報告しています。抗うつ剤のように、危険性のある副作用が少ないところもCBDの良い点です。...
ADHDとは、「神経発達障害」の一つ。衝動性や注意力の欠如が原因で、日常生活に支障が出てしまいます。 ADHDの症状に対しては、薬物療法や行動療法を用いるのが一般的です。しかし、それらの効き目や副作用を疑問視して、大麻やCBDなどの代替療法を求める人も海外にはいます。研究事例はまだ少ないものの、CBDの効果に期待するADHD専門家もいるようです。 この記事では、ADHDの治療方法としてCBDが期待されている理由や、参考になりそうな研究事例を紹介していきます。 ADHDの症状とは? ADHD(注意欠陥多動性障害)の一般的な症状は、衝動性・多動性や、注意力を保つのが困難であることです。もちろん、ADHDではない人も、同様の状態を経験することがあります。しかし、ADHDを持つ人はそれらの症状をより強く、より頻繁に感じ、日常生活にも支障が出てしまいます。 (画像引用)出典:ADD vs. ADHD: What’s the Difference in Symptoms? 具体例としては、下記の症状が表れることが多いようです。 常に動き回る。 質問される前に答えたり、会話の順番を待たずに話す。 座っていることが求められる状況(教室やオフィス)で、席を立つ。 家事や用事、約束事などを忘れてしまう。 無関係な考えや刺激に簡単に気を取られる。 仕事やタスクを整理したり、時間管理や期限を守ることが苦手。 ADHDの原因は、まだ正確には分かっておりません。しかし、いくつかの研究では、ADHD患者は脳内のドーパミン量が少ないことが示されています。ADHD患者の脳機能の特徴が、ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きに影響を及ぼし、症状が表れると考えられています。 参考 出典:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder 出典:ADHD(注意欠如・多動症) 出典:Attention Deficit Hyperactivity Disorder...
CBDは、さまざまながん治療に有用性があることがわかっています。海外の研究では、CBDの抗腫瘍効果が認められたガンもあり、CBDの医療効果への期待はますます高まってきていると言えます。 この記事では、抗腫瘍効果に関する研究が特に進んでいるガン種(神経膠芽腫・肺がん・乳がん)に関する研究でわかっていることをご紹介していきます。 CBDには、抗腫瘍効果があることがわかってきた CBDはてんかんをはじめ、さまざまな病気の治療効果が期待されています。2022年8月現在、がん患者を対象にした臨床試験などはまだまだ少ないですが、マウス、ヒト培養細胞レベルでは、がんの治療薬や、治療に伴う副作用として有効かの研究結果が多く報告されています。 CBDを活用した臨床経験が豊富な銀座みやこクリニックによると、CBDの抗腫瘍効果が認められたがん種は、以下の通りです。 出典:その他治療|銀座みやこクリニック ヒトでの研究はまだ十分とは言えませんが、CBDががん細胞の細胞死を誘導したり、抗がん剤の効果を高めることがわかっています。 以下の3つは、抗腫瘍効果の研究が特に進んでいるガン種です。 ・神経膠芽腫(しんけいこうがしゅ)・肺がん・乳がん 2020年のアメリカの論文「有望な抗腫瘍薬としてのカンナビジオール(CBD)」によると、CBDがさまざまながん治療に有用であることが報告されています。 次の章では、論文からわかる研究結果をもとに、CBDにおける抗腫瘍効果の研究が特に進んでいるがんの研究事例をご紹介します。 参考 出典:日本が知らない、カンナビノイドの世界|オーソモレキュラー医学会出典:Cannabidiol (CBD) as a Promising Anti-Cancer Drug|National Library of Medicine 神経膠芽腫|再発抑制や生存期間の延長をCBDが手助け? 神経膠芽腫は、脳の神経細胞を支える「神経膠細胞」が腫瘍化したもので、悪性度が強く、侵攻性の高いがんの一つです。数あるがんの中でも、CBDの治療効果の研究が進んでいる神経膠芽腫ですが、ヒトを介したCBDの臨床試験による症例報告があります。 「有望な抗腫瘍薬としてのカンナビジオール(CBD)」の論文では、実際の神経膠芽腫を患っている患者に対し、標準的な治療とCBDを併用することで、再発の抑制や生存期間の延長に関する有用性があることを示しています。 参考 出典:有望な抗がん剤としてのカンナビジオール(CBD)|日本臨床カンナビノイド学会 ...
パーキンソン病は、脳の機能に問題が生じて発症する「神経変性疾患」の一つ。手足が震えたり、体が動かしにくくなるのに加えて、睡眠障害などが発生する場合も。 近年の研究では、CBDの抗炎症作用が「脳神経」の炎症にも効果的だと分かってきました。そのため、CBDがパーキンソン病などの「神経変性疾患」の治療にも役立つことが期待されています。 この記事では、パーキンソン病治療におけるCBDの有効性について、研究事例を交えながらご紹介します。 パーキンソン病はドーパミンの欠乏状態 パーキンソン病の症状は、脳内のドーパミンが欠乏することで発生すると考えられています。脳内にタンパク質(α-シヌクレイン)が異常蓄積した結果、黒質の神経細胞が減ってしまい、ドーパミンが欠乏します。神経機能が徐々に損なわれる病気であり、「神経変性疾患」に分類されています。 画像引用)出典:パーキンソン病 病気の原因は? 発病の原因は、まだはっきりとは分かっていません。しかし、患者数が多い神経変性疾患として知られており、厚生労働省は指定難病に認定しています。50歳以降に発症することが多く、日本国内の患者数は約11万人です(平成24年度の調査を元に推計)。 パーキンソン病は、手足の震えが発生する「運動症状」と、睡眠障害などの「非運動症状」の両方が発症する可能性があります。以下が代表的な症状です。 ①運動障害 振戦(しんせん):手足が震える。 固縮(こしゅく):筋肉や関節が固くなり、体が動きづらくなる。 寡動(かどう) :動作が遅くなり、表情が固くなる。 姿勢反射障害 :体のバランスが保てなくなり、転びやすくなる。 ②非運動性症状 嗅覚低下 便秘や立ちくらみ 睡眠障害や記憶障害 うつ、幻覚、妄想 パーキンソン病の根本的な治療方法は確立されていないため、症状を緩和するために内服薬を使用するのが一般的です。これらの内服薬は効果が高く、患者の寿命を伸ばすことにも貢献していますが、長期的に服用した場合の副作用(精神異常や運動障害)の大きさが懸念されています。 ※L-ドパはパーキンソン病の主要な内服薬です。脳内のドーパミンを補充します。 出典:MSD マニュアル パーキンソン病 治療薬の副作用が発生すると、パーキンソン病の症状を管理することが難しくなります。また、患者のQOLを高めるためには、運動性症状だけではなく、非運動性症状も改善していく必要があります。 症状や進行状況にも個人差があるため、パーキンソン病は患者さんごとにきめ細かい治療が必要な疾患だと言えます。 ...
特定の物質や行動に依存してしまい、心身の健康や人間関係にも深刻な影響を与える依存症。意思だけでは、依存対象をなかなか断てないのも特徴の一つです。 近年の研究事例によると、CBDが治療に効果的である可能性があります。
2022年7月現在、CBDがアルツハイマー病の予防や治療に役立つという、治療レベルでの科学的な証拠はまだありません。一方で、世界保健機関(WHO)が、CBDはアルツハイマー病に治療効果を有する可能性のある成分として発表している、という事実もあります。 特に、アルツハイマー病によって引き起こされる周辺症状(BPSD)に有効である可能性を示す研究は多くあるようです。 CBDはアルツハイマー病の周辺症状(BPSD)をサポートできるかも アルツハイマー病は認知症の一つであり、脳の神経細胞が本来の老化よりも早く減ってしまう病気です。アルツハイマー病の家族や親戚を介護をしている人なら把握している人もいるかと思いますが、引き起こされる症状には以下の2種類があります。 ・中核症状 ・周辺症状 中核症状とは、脳の神経細胞の障害によって起こる認知機能障害のこと。アルツハイマー病を患い始めた初期段階からほぼすべての人に見られる症状で、新しいことが覚えられない、物事の段取りができないなど、アルツハイマー病の症状でよくイメージされるものが当てはまります。 周辺症状は「BPSD」と呼ばれることも多く、中核症状と環境要因・身体要因・心理要因などと相互作用して生じる、さまざまな精神症状や行動障害のことを意味します。(引用)出典:周辺症状(BPSD)について|佐藤病院 例えば、「モノを盗まれた」などの妄想が激しかったり、気分が落ち込んでしまうようなうつ状態、急に怒り出すような興奮状態になったりなど、中核症状よりも生活に支障をきたしそうな症状がBPSDの特徴です。CBDは、そのようなBPSDを改善できる可能性を秘めていることがわかっています。 参考 出典:認知症|厚生労働省出典:アルツハイマー病|KOMPAS CBDは周辺症状(BPSD)の興奮状態を和らげる? アルツハイマー病患者に対して周りの人が特に懸念しているのは、興奮して怒りっぽくなる症状ではないでしょうか。 アメリカのバージニア州にある、イースタンバージニアメディカルスクールが行った研究によると、アルツハイマー病の患者にCBDオイルを毎日一定量摂取させることで、興奮的な症状を軽減できることがわかっています。 そもそもCBDには、不安を和らげるような鎮静作用があると言われています。アルツハイマー病によって興奮状態になっている人だけでなく、ストレスを感じている人や、うつ病を患っている人に有効な可能性があることで知られています。 特に、アルツハイマー病によって興奮状態に陥りやすい人が家庭にいる場合、周りの人は、肉体的にも精神的にも疲弊してしまいますよね。 患者も周りの人も、健康的な生活を保つためにも、CBDオイルを試してみることで症状への変化に期待できるかもしれません。ただし、摂取した際に体に異変が起きていると感じた場合は、すぐに使用を控えてくださいね。 参考 出典:Effects of THC-Free CBD Oil on Agitation in Patients...