CBDには多様な効果効能があります。
その中でも今回はCBDのADHDに対する効果について取り上げます。
CBDにADHDに本当に効果的なのか?そして、どのようにADHDに作用しているのか?
これらの疑問にエビデンスに触れながら解説していきます。
また、CBD原料に関する詳しい情報をお探しの方は下記よりご覧ください。
1. ADHDとは
ADHDとは発達障害の一つで、注意欠陥多動性障害とも呼ばれます。ADHDの症状や原因、治療法について詳しく見ていきましょう。
1-1. ADHDの症状
ADHDは一般的に、衝動性・多動性や、注意力を保つのが困難であることが症状として見られます。もちろんADHDではない人も、同様の状態を経験することがありますが、ADHDを持つ人はそれらの症状を強く、頻繁に感じるため、日常生活にも支障が出ることが多いです。
具体例として、下記のような症状があらわれます。
• 常に動き回る。
• 質問される前に答えたり、会話の順番を待たずに話す。
• 座っていることが求められる状況(教室やオフィス)で、席を立つ。
• 家事や用事、約束事などを忘れてしまう。
• 無関係な考えや刺激に簡単に気を取られる。
• 仕事やタスクを整理したり、時間管理や期限を守ることが苦手。
ADHDは、これらの症状が12歳以前から見られ、学校や家庭での生活において支障をきたしている場合に診断されます。
1-2. ADHDの原因
ADHDの原因は、まだ正確には分かっていません。しかしいくつかの研究では、ADHD患者は脳内のドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の量が少ないことが指摘されています。
ADHD患者の脳機能の特徴が、ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きに影響を及ぼし、症状があらわれると考えられています。
参考
出典:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder
出典:Attention Deficit Hyperactivity Disorder (ADHD): The Role of Dopamine
1-3. ADHDの一般的な治療法
ADHDの根本的な治療方法はまだありません。そのため、症状を緩和するための薬物療法や行動療法を組み合わせるのが一般的です。
薬物療法は、ドーパミンやノルアドレナリンの再取り込みを抑制するメチルフェニデート(コンサータ)や、ノルアドレナリンの再取り込みを抑制するアトモキセチン(ストラテラ)、ノルアドレナリンの受容体を刺激するグアンファシン(インチュニブ)が使われます。
海外では、再取り込み抑制とともに分泌促進をするアンフェタミン(アデロール)が用いられることもあります。
これらの刺激薬は、脳内のドーパミンやノルアドレナリン量を増加させたり、ノルアドレナリンの作用を増強させたりすることで、衝動性を抑えたり、注意力を増強したりする効果があります。
現在のADHDの治療方法は、患者さんの社会生活をサポートする上で重要な役割を果たしています。
しかし、既存の治療方法では症状が改善しない場合もありますし、症状が改善しても薬の効果が切れてしまうと症状がぶりかえすなどの問題点もあります。また、薬物治療を行うことで副作用が起きてしまうこともあります。
ADHD治療薬の副作用例
- 睡眠や食欲への影響
- 頭痛や腹痛
- 気分の落ち込みやイライラ
- 血圧低下や心拍数上昇
また、ADHDと同時に学習障害や不安障害、うつ病など、他の精神疾患を抱えている患者さんも多くいます。このように、ADHDに関連する症状は多岐にわたるため、様々なアプローチを用いてADHDと向き合う必要があると考えている医学専門家もいます。
参考
出典:How CBD Oil (cannabidiol) Works To Treat ADD and ADHD
出典:Side Effects of ADHD Medication
2. CBDはADHDに有効?
ADHDの代替療法の一つとして期待されているのがCBDです。近年の研究から、うつや不安障害など、様々な精神疾患に対してCBDが有効である可能性が分かってきました。
ADHD 2.0の著者である Ned Hallowell氏は、不安などの症状を緩和するためにCBDを用いることができると書いています。Hallowell氏は、CBDがエンドカンナビノイドシステム(ECS)を活性化して、私たちの体の機能をサポートしてくれると考えています。
参考
出典:CBD for ADHD: Promising Treatment or Supplement to Steer Clear Of?
ただし本記事執筆時点では、ADHDに対するCBDの有効性を十分に証明する研究はありません。そもそもCBDとADHDに関する研究がまだ少ないですし、行われた研究自体もCBDを含んださまざまな大麻草の成分が使われているものが多いため、CBD単独の効果だとは断定することができないのが現状です。
マリファナの法改正(合法化など)を目指すNORMLの役員メンバーであるMitch Earleywine氏(心理学教授)も、ADHDへの有効性を示す臨床試験やデータは存在しないと述べています。
一方で、自主的にCBDを摂取するADHD患者は増えています。ADHDの症状が緩和されたと自己申告する人々が一定数いるのもまた事実です。2020年に発表された研究レビューでは、ADHDに対するCBDの有効性に中程度をあらわす「B評価」が付与されました(A~Dの4段階評価)。
このレビューでは、CBDと精神疾患に関連する23件の研究事例を元に、以下の精神疾患に対してB評価が与えられました。
- ADHD(の症状緩和)
- ASDの併存症
- 統合失調症
- 大麻関連障害(離脱症状等)
参考
出典:CBD Oil for ADHD? Despite Scarce Research, Patients Are Trying It
出典:Can You Take CBD for ADHD? Here’s a Look at the Science
出典:The therapeutic role of Cannabidiol in mental health: a systematic review
上記点を踏まえたうえで、ADHD症状に関連するCBDの研究をいくつかご紹介します。
2-1. 多動・不眠・不安の改善|高比率のCBD
イスラエルで行われた研究では、高比率のCBD投与が多動性や不眠症、そして不安の軽減に繋がることが示されました。
この研究の対象は、自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された53人の子供たち(平均年齢:11歳)にCBDとTHCの比率が20:1の治療薬が投与されました。その結果、被験者の多動性や不眠症、不安の軽減が見られました。
ASDとADHDは別物ですが、注意力の欠如や多動性など、似た症状が表れます。また、ASD患者の50〜70%がADHDと診断されます。
▼研究詳細 対象:ASD患者53人(11歳〜22歳) CBDの平均投与量:不明(CBD・THC比率は20:1) 使用された製剤:不明 治療期間の中央値:66日 実施年:2019年 |
参考
出典:Does weed help with ADHD?
出典:Oral Cannabidiol Use in Children With Autism Spectrum Disorder to Treat Related Symptoms and Co-morbidities
2-2. 衝動性・注意力欠如の改善|CBD&THC
イギリスで行われた研究では、CBDとTHCが同程度含まれる処方薬の投与が、多動性、衝動性、注意力の改善に繋がることが示されました。
この研究では、ADHDと診断された30人の成人にSativex(カンナビノイド薬)が処方され、多動性や注意力の欠如が少し改善することが示されました。ただし、研究対象グループが小規模なのと、症状の改善幅が少なかったため、研究実施者はさらなる検証が必要だと考えています。
▼研究詳細 対象:ADHD患者30人(成人) CBDの平均投与量:不明(CBD・THC比率は1:1) 使用された製剤:Sativex 治療期間の中央値:不明 実施年:2017年 |
参考
出典:Can CBD Help With ADHD? Everything You Need to Know
出典:Cannabinoids in attention-deficit/hyperactivity disorder: A randomised-controlled trial
3. CBDがADHDに作用する仕組み
CBDはADHDの症状にどのように作用すると考えられるのでしょうか。ADHDとCBDについてはまだはっきりとは解明されていませんが、2つの仕組みが考えられます。
3-1.エンドカンナビノイド(ECS)に作用する
まず一つ目は、CBDがエンドカンナビノイドシステム(ECS)を活性化することにより、多動性の軽減や集中力の向上をしているのではないかということです。
ECSとは身体の恒常性を保つ機能のことです。ウイルスの侵入や不安の増加など身体にとって良くない環境にさらされると、ECSが活性化し、元の健康な状態に戻そうとすると考えられています。
CBDはこのECSを活性化して、恒常化を保つサポートをしているといわれています。
2009年の海外の研究によると、ドーパミンとECSは相互に関係していて、ドーパミンはECSに、ECSはドーパミンに影響を与えると述べています。
CBDとADHDの関連性はいまだ不明ですが、CBDがECSを活性化することでドーパミンの分泌に影響を与え、ADHDの症状を緩和する可能性はあるといえます。
3-2.セロトニン受容体に作用する
2019年の海外の研究では、CBDは幸せホルモンとも呼ばれているセロトニンの受容体に作用していることが示唆され、動物実験では、CBDが脳内にある複数のセロトニン受容体を一度に活性化することが報告されました。
ADHDの子どもは、セロトニン不足であることが多く、それが落ち着きのなさや不安、イライラにつながっているといわれています。
CBDがセロトニン受容体に作用し、体内のセロトニン作用を増やすことで落ち着きのなさや不安などのADHDの症状が緩和されるかもしれません。
4. THCとADHD
2009年の海外の研究では、ADHDを持つ動物はCB1受容体(ECSを活性化する受容体)の感受性が低下していることを示唆し、CB1受容体の機能を回復する薬剤がADHDに治療効果を示す可能性があると結論付けています。
では、CB1受容体作動薬であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)はADHDの症状を緩和できるのでしょうか。
残念ながらTHCがADHDの治療薬として使える証明はまだできていません。しかし、THCの作用の一つである陶酔作用は、ドーパミンの放出によってあらわされるものだと考えられていることから、ADHDの症状緩和にTHCが役立つ可能性は十分あります。
THCがADHDの症状緩和に役立つ可能性を示す研究として、ドイツで行われた研究があります。
この研究では、30人のADHDの患者にTHCを含んだ大麻を使った治療が行われました。彼らは、過去に医薬品によるADHDの標準治療を受けていましたが、効果が見られなかった人たちです。
30人が大麻を使った治療を受けたところ、73%の患者のADHD症状が緩和し、仕事や人間関係に参加することができるようになりました。また、47%は集中力が向上しました。
この研究結果から、THCがドーパミンを放出させることでADHD症状を緩和していると期待することができます。
ただし、THCは低用量で摂取すればドーパミンの分泌補充が期待できますが、高用量のTHCでは逆にドーパミンの分泌量を減少させてしまうリスクがあります。そのため、たとえTHCでADHD症状の緩和ができたとしても、長期に渡って高用量のTHCを摂取すると、ADHD症状がかえって悪化させることにもなりかねないということは覚えておきましょう。
5. CBNとADHD
CBDやTHCと同じ大麻草のカンナビノイドの一つであるCBN(カンナビノール)に、ADHD症状の改善作用があると期待されています。
2020年の海外の研究は、大麻の成分(植物性カンナビノイドとテルペン)の高用量の摂取が、ADHDの医薬品の用量の減少に関連していることに加え、高用量のCBNが自己報告のADHD度合いを低下させていることを報告しました。
今後のさらなる研究が必要ですが、将来的にCBNがADHDの治療に利用できる可能性があります。
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