カンナビスやヘンプにはCBDやTHCといったカンナビノイドという化合物・成分が含まれています。
カンナビノイドといえば、CBDとTHCが注目されていますが、CBDやTHC以外にも100種類以上のカンナビノイドが含まれていることをご存知ですか?
今回ご紹介するCBNもこれらのカンナビノイドの一つです。
CBDやTHCと同様に、CBNにも重要な医学的効果があります。そして、その効果からグローバルではCBNに大きな注目が集まってきています。
CBNがどのように私たちの役に立つのかを理解するために、一緒にCBNの理解を深めていきましょう。
弊社では、CBD事業者様向けにCBN原料の卸売もしております。ご興味ある方は以下をご覧ください。
1. CBN(カンナビノール)とは何か? |
1. CBN(カンナビノール)とは何か?

CBN(カンナビノール)はカンナビノイドと呼ばれる化合物の一つで、主にTHC(テトラヒドロカンナビノール)が酸素、光に晒されたり、時間の影響を受けて変化した結果、生成されます。長期間保存されたカンナビスなどは、THCからCBNが生成され、CBN含有量が高まると言われています。
CBNは、1940年に大麻から初めて抽出されたカンナビノイドで、名前が似ているCBDとは異なり、CBNはTHC(テトラヒドロカンナビノール)とより密接に関連しています。
カンナビノイドとは、カンナビス植物(大麻)に含まれる多くの化合物の一つです。一方、カンナビスはこれらの化合物を含む植物そのものを指します。カンナビノイドはカンナビスに含まれる複数の成分の中の一つであり、THCやCBD(カンナビジオール)などもカンナビノイドに分類されます。
CBNは、カンナビノイドの中でも比較的希少であるため、マイナーカンナビノイド、レアカンナビノイドとも呼ばれます。
この物質はTHCとは異なり、ほとんど精神活性作用がありません。いくつかの研究では、その精神活性作用はTHCの約1/10であると言われている一方、CBDに比べると精神活性作用が高いとされています。加えて、国内で合法的に食品や化粧品への添加が可能であるため、製品応用のしやすい物質と言えるでしょう。
次にCBNの効果・効能を見ていきましょう!
医学的に期待できる多くの可能性が秘められているため必見です。
2. CBNの効果・機能性

CBNに関する研究は昔からありましたが、CBDやTHCほど注目されていませんでした。
しかし、1990年代にエンドカンナビノイドシステムが発見され、医療用および娯楽用カンナビスが次々と合法化され、世間に受け入れられるようになったことで、近年CBNについて重要な発見が多く生まれています。
鎮静作用
CBNには強力な鎮静作用があるといわれています。
Steep Hill Labsの研究によると、CBNのわずか5mgは、ジアゼパム(別名バリウム)の10mgと同じくらい強力であることが示されています。
インディカ種はCBN含有量が高い傾向にあり、このCBNによりインディカ種に有名な鎮静効果であるカウチロック効果(大麻の使用により動けなくなる状態)を説明することができるのです。
しかし近年の研究では、THCとCBNの相乗効果により高いレベルの鎮静作用を引き起こしているという見解もあり、CBNだけの鎮静効果ではないのではないかという見方も出てきています。
ただ、それらのカンナビノイドの組み合わせにより、不眠症患者に5〜6時間の睡眠を与える鎮静作用が証明されており、カンナビノイド全体の鎮静効果は疑う余地がありません。
まだCBNのみの鎮静効果は可能性の域を越えていないため、CBNにおける世界の研究結果を楽しみにしておきましょう。
【出典】The ‘sleepy’ cannabinoid CBN might not actually be sedating
【出典】What Is CBN And What Does It Do?
神経保護作用
CBNには神経保護作用があることも証明されています。
マウスを対象にした研究ですが、CBNの投与によりALS(筋萎縮性側索硬化症という神経の障害)の発症を遅らせることができたという研究があります。この研究では、CBNの投与により副作用なく、マウスの症状の進行を2週間以上遅らせることが分かったのです。
この結果は、CBNがALSなどの神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、など)と戦う1つの武器であることを示していると言えます。
【出典】
Cannabinol delays symptom onset in SOD1 (G93A) transgenic mice without affecting survival
骨の成長促進効果
CBNは骨組織の成長を促す可能性もあります。
これは、血液細胞に変化することが知られている間葉系細胞を、骨や他の種類の組織と同様に間接的に刺激することによって引き起こされます。
CBNは、骨折や骨折を治すための将来の治療法として有望と言えるかもしれません。
さらなる臨床研究が必要ですが、今後の可能性に注目です。
【出典】How CBN Can Improve Your Sleep, Mood, and Health
抗菌作用
CBNには強い抗菌作用があることも挙げられます
ある研究では、CBNをはじめとするカンナビノイドがMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)と呼ばれる抗生物質が効きにくい菌に対して強力な活性を示したこと発表しています。
薬物耐性を持つ菌にも効果があるということは、通常の抗生物質では治癒できない細胞感染を防ぐことにも使用できる可能性を秘めているのではないでしょうか?
【出典】Antibacterial cannabinoids from Cannabis sativa: a structure-activity study
乾癬(かんせん)に対しての効能
乾癬(かんせん)とは皮膚が赤くなり発疹を起こす病気のことです。
ある研究では、CBNを局所的に塗布することで乾癬の治療に役立ったという結果が出ています。
この理由としては、CBNが皮膚細胞の過剰増殖を遅らせるという効果があるからだと考えられています。
この結果からCBNが乾癬(かんせん)患者にとっては希望の星となっていくに違いありません。
さらには、マウスの研究ですが、CBNが関節炎などに対する抗炎症作用が認められることも挙げられています。
【出典】Cannabinol (CBN): What Is It And What Are Its Effects?
食欲増進効果
THCと同様に、CBNもCB1(中枢神経)に作用することで食欲を高めることが確認されています。
THCのようにハイにならずに、食欲増進を必要とする人々、特にがん治療によって食欲が低下してしまった患者に対しては、この食欲促進作用が非常に価値のある治療選択肢となり得ます。
【出典】https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22543671/
抗痙攣(けいれん)作用
CBNは神経細胞の過度な興奮を効果的に抑制し、筋肉の不随意な収縮を阻止する能力があります。
この作用により、痙攣(けいれん)を軽減する効果が確認されており、痙攣を起こしやすい状態の患者に対して有益な治療方法となり得るでしょう。
【出典】https://shopgoldleaf.com/blogs/newsfeed/a-quick-guide-to-cannabinoids-cbn
3. CBNの作用機序
CBNの作用機序は、エンドカンナビノイドシステム(ECS)により説明できます。
CBNは体内に存在する主にCB2受容体に、また、CB1受容体にも直接作用すると言われています。
ECSに関して、詳しく知りたいという方は、以下をご覧ください。
4. CBNの化学構造
CBNはTHCの分解産物であり、化学式はC21H26O2、モル質量は310.43 g/molです。
不安定なTHC分子(化学式はC21H30O2)が、4つの水素原子を失うことでCBNを形成します。
5. CBNとCBDの違い
CBNとCBDの主要な違いは、化学構造、体への影響・効果、およびその希少性にあります。
体への影響・効果の違いとしては、CBNは上述の通り、鎮静や安眠、鎮痛、乾癬や皮膚炎など、皮膚を刺激する疾患の治療などに効果が見込まれます。
他方CBDは一般的に、ストレス&不安の解消、リラックス効果があると言われております。
両者とも中毒性がないことは共通しており、CBNの特徴的な部分としては、眠気を引き起し、睡眠の促進に効果がある点です。
希少性に関しては、レアカンナビノイドと呼ばれるCBNの方が、CBDよりも遥かに高いことで知られています。そのため、CBNの方が高価格な原料となっています。
ちなみに、原料について「CBDとCBNはどのように使い分ければ良いのか?」などの質問を頂きますが、期待する効果・効能によって原料を使い分けることをおすすめします。
上記の点を理解したうえで、原料を選定し商品開発をすることで、より良いプロダクト作りに繋がります。
6. CBNの安全性と副作用
CBNの副作用に関する研究はまだありません。
研究が進んでいないだけで、副作用に関しては良くわかっていない状況です。
そのため、妊娠中や授乳中の人、および子供は、CBNの使用を避けることをおすすめします。
また、健康状態に関係なく、かかりつけのお医者さんがいる場合は特に、CBNを試す前に、専門家への事前相談をお願いします。
7. CBNの希少性
CBNは天然の大麻に微量にしか含まれないため、マイナーカンナビノイドやレアカンナビノイドと呼ばれています。
通常、天然の大麻には、0.01%程度しか含まれず、多くて10%ほどです。天然の大麻(ヘンプを除く)に最も含まれるカンナビノイドはTHCで、20%〜25%ほど含まれています。
8. CBNの可能性
CBNはCBDやTHCと比べると。現状大きな注目を集めているわけではありません。
10年前はほどんどの人がCBDのことすら知りませんでした。CBD同様、CBNも今後カンナビノイドの中でプレゼンスを発揮してくるだろうと推測しています。
CBNの効果・機能性の章でも説明しましたが、CBNは鎮静作用があるので睡眠を目的としたCBD製品との相性が良いです。
睡眠に関していうと、日本人は2018年のOECDの調査によると、OECD加盟国27カ国の中で平均睡眠時間が最下位の国です。世界的に見て睡眠課題を抱える国民が多くいるわけです。
そんなお国柄からもCBNはますます日本で浸透していくでしょう。
9. CBNは違法か?
CBNは日本では違法ではありません。合法です。
もちろん指定薬物にも登録されていません。
アメリカにおいても状況は同じです。CBNは連邦レベルで特定の規制物質としてリストされていません。
ただし、CBNが違法な国も存在します。例えば、イギリスです。
CBNはわずかに精神活性作用があるため、イギリスでは合法ではありません。
10. CBNは薬物検査に引っかかるか?
結論からいうと、CBNを使用すると薬物検査で偽陽性の結果が出ることがあります。
ユタ大学健康科学センターの研究チームによると、3つの異なる尿サンプルで、CBD、CBC、CBGは偽陽性を示さなかったが、CBNはEmit II Plus検査で顕著な反応性を示したとのことです。この研究で使用した尿サンプルは1000 ng/mLですが、CBNの場合、これを1/10の100 ng/mLで検査した場合も偽陽性が検出されたことがあったようです。
そのため、患者の方は、もし薬物検査をすることになった場合は、CBNを使用していることを医師の方に共有することをおすすめします。
11. CBNを含む商品事例
CBNを含む商品は、日本では、ベイプ、スキンケア、食品での事例があります。
手前味噌ではありますが、ベイプの事例は以下の商品がおすすめです。
また、スキンケアや食品の文脈では、CBNだけでないCBDやテルペンも含む以下の商品がおすすめです。
12. CBN原料に興味がある方へ
弊社では、CBN、CBD(アイソレート、ディスティレート、ブロードスペクトラム、水溶性)、CBGをはじめとするカンナビノイド原料・テルペンの卸売りや、これらのカンナビノイドを用いた食品や化粧品ブランド開発のOEMサポートを行っております、ぜひお気軽にお問い合わせください。
13. OFFの原料は、健康志向の人におすすめなオーガニック仕様
OFF株式会社は、CBD製品のOEM製造の受託や原料販売を行っている会社です。弊社で取り扱っている原料には、以下三つの特徴があります。
①合法性と安全性
②製造工程における各種認証
③信用・実績のあるサプライヤー
①合法性と安全性
・厚生労働省や食品検疫所の正規の手続きを経て輸入済み
・ベイプやコスメに加え、食品としての使用(ティンクチャーやグミ等)も可能
・テスト結果(CoA)等も含め、透明性を持った情報提供
・「ISO17025」(権威ある第三者認定機関が認定する規格)を取得している3rd Party Labを厳選し検査
②製造工程における各種認証
・USDAオーガニック(無農薬栽培を示すアメリカ農務省による認証)
・NON GMO(遺伝子組み替えを行った作物を不使用)
・GMP(医薬品の製造と品質管理に関する基準を示すFDAによる認証)
・GRAS(一般に安全とみなされる食品に関するFDAの認証)
③信用・実績のあるサプライヤー
・米国のオレゴン州・コロラド州に拠点を置くサプライヤーから原料を輸入
・FDAから委託を受けた大学との共同研究実績や、米国でも非常に有名な大手ブランドとの取引実績あり
CBD製品のOEM製造や原料に興味がある方は、お気軽にご相談ください。