CBD製品を作ろうと思っても、まず何から始めてたらいいのか、実際にどのような流れで商品化が進んでいくのか、イメージしにくい人も多いでしょう。
今回インタビューを行ったのは、弊社にてCBNベイプ、グミ、オイル(ブランド名:Still Dreamin’)のOEM製造をしてくださった大松 集行さん。ご自身のCBD+CBNブランド『Still Dreamin’』を立ち上げるに至った経緯や、製造過程でのこだわり、実感した業界の課題などを伺いました。
株式会社ビーツリー 1996年に株式会社主婦の友社入社後、営業開発部を経て「Ray」「Boys Rush」「mina」編集部を歴任。その後、2009年に株式会社ビーツリーを設立し、編集制作プロダクションとしてスタート。雑誌「BLENDA」「Majesty JAPAN」ウェブメディア「109ニュースシブヤ編集部」編集長などを歴任。2022年に新感覚CBD+CBNブランド Still Dreamin'をプロデュース。 |
ソファでくつろぎたくなるような、CBNの体感
ーーまず、CBD業界に参入しようと思われたきっかけから教えてください。
大松さん:CBD自体に最初に接触したのは、2017年くらいです。その時よく一緒に仕事をしていたカメラマンが、「CBDって知ってる?大麻由来の成分だけど、これは合法なんだよ」と言って、ベイプをすすめてきたんですね。打ち合わせの後に吸ったりしていましたが、その時は正直、私は体感をあまり感じませんでした。
その後、ちょうどコロナが流行った2020年くらいのとき、もう一度CBDを試す機会があって。アパレル関連の知り合いがやっていた、千駄ヶ谷のCBDポップアップへ、遊びに行ったんです。
確かに以前摂取したときより、CBDというワード自体は耳にするようになったな、という感覚がありました。CBDがなんとなく売れそうだと感じる一方で、2020年当時、CBD業界はすでに飽和状態で、今から参入しても遅い、とも感じていました。
ーー大松さんがCBNに注目されたのは、その後だったのでしょうか。
大松さん:2020年のその頃、たまたまTwitterで「CBN」についてつぶやいている人を見かけたんです。調べてみると、CBNはCBDとは違う成分で、眠れない時にとると良いと知りました。
自分もそのころ眠れないことが多かったので、CBN40%のべイプを試してみたら、すっと寝つきがよくなった感覚があったんですね。CBDよりも「チル」と言いますか、ソファから立ち上がりたくなくなる感覚がありました。
ウェブで検索してみると、ナチュラル化粧品メーカー『カメルイ』さんなど、他社のCBN製品は、オンラインで売り切れになるほど人気だったんです。CBNでビジネスをやってみたら面白そうだと思い、始めました。
無添加で、体感のあるものを製造したかった
CBNの体感に魅力を感じた大松さん。展開しているStill Dreamin’の商品は、使い捨てベイプ、グミ、オイルですが、最初は枕に吹きかけるピロースプレーの製造を考えていたんだとか。 |
大松さん:本当は、オイルやべイプなどではなく、もっとライトなものを作ろうとイメージしていたんですね。僕の妻が、ラベンダーの香りがするピロースプレーを使っていたんですよ。これにCBNを入れたら、もっとリラックス気分を高められる商品が作れるのでは、と思ったんですね。
でも、それが本当にCBNの体感を発揮できるのかというと、正直難しい、とある製造業者さんに指摘されたんです。確かに、僕自身もきちんと体感のあるものを作りたかったので、基本に立ち戻り、王道的なベイプ・グミ・オイルを作ることに決めました。
グミは最初、作ろうと思っていなかったのですが、OFFさんでサンプルのグミを試食させてもらった時に、意外と体感があるな、と感じたんです。周りの人に気軽に配るためにも、5個入りのものも作りました。
出典:Still Dreamin'
(甘さと酸味を抑えた大人っぽいレモン味。5個入りで、CBD20mg+CBN10mg配合。一袋あたり税込1,580円)
ーーベイプ・グミ・オイルのすべてにCBNアイソレートだけでなく、CBDブロードスペクトラムを入れられた理由を教えていただけますか?
大松さん:CBD、CBNなどのカンナビノイドは、単体で摂取するよりも、複数の成分を一緒に摂取した時の方が、アントラージュ効果(相乗効果)を得られると知りました。
けれどベイプの場合、濃度が30-40%以上のものを作ろうとすると、喉が痛くなってしまって。原料の特性のようなので仕方ないのですが、女性向けに作りたかったこともあり、喉が痛くならないくらいのギリギリの濃度で仕上げてもらいました。
出典:Still Dreamin'
(CBDブロードスペクトラムが20%で、CBNアイソレートが10%。フレーバーは、utopian lavender、selfish lemonade、healing mint、peaceful appleの4種類。一本あたり税込5,490円)
大松さん:よくあるべイプの味って、甘い香りがするフルーツ系か、本物のマリファナの味を再現したようなOG KUSHなどの、どちらかが多いと思うんです。僕としてはそのどちらでもなく、寝る前にリラックスして吸ってもらいたかったので、ナチュラルでふんわりやさしく、癒されるようなイメージで作ってもらいました。
個人的に、化学的な合成っぽい味があまり好きではなくて。味や香りにこだわりつつも無添加にしたかった、というのが、今回のべイプ製造でこだわった点です。電子タバコの健康被害がニュースで取り上げられることもあるので、原価は上がってしまいましたが、その点には気を使いました。
ーーベイプと言えば、自前のデバイスにアトマイザーを取り付けて吸うタイプの、ベイプリキッドを製造される事業者さまが多くいらっしゃいます。使い切り型ベイプにされたのには、何か理由があるのでしょうか。
大松さん:実際に自分がCBNベイプのリキッドを買った時に、どんなデバイスが必要なのかよくわからなかったんです。リキッドのパッケージに記載があるわけでもなく、「510規格」(※)がなんのことかすらもよくわからなかったんですね。
※510規格:ベイプリキッドを入れる、アトマイザーの接続部分が凸、バッテリー側が凹になっており、 アトマイザーを510規格デバイスに差し込むことで吸引できる。
ターゲットはコアなCBD・CBNファンというわけではなく、ライト層の女性をイメージしていたので、万人受けするような使い切り型がいいとは考えていました。
ーー実際に販売してみて、どのカテゴリの商品が一番人気なのでしょうか。
大松さん:自分では意外なのですが、ベイプなんです。喫煙者でない限り、特に女性だとベイプを吸うこと自体に抵抗があるのではと思っていましたが、売り上げの内訳で言うと、約7割くらいはベイプで、2割はグミ、1割がオイルです。
「CBDって、何も感じないじゃん」と言う人を増やさないために
ーー現時点で感じている、課題などはありますか?
大松さん:うちの商品に限らず、CBN自体の認知がまだ広がっていかない、という感覚はありますね。CBNを広めたくても、まずCBDの説明をしなくてはいけない。CBDもそうですが、カンナビノイドの正体の「わかりにくさ」は、広まらない原因の一つではあると思っています。
あと、業界全体の特徴ですが、内輪で盛り上がっている印象があります。最近は、芸能人が愛用していたりなどで、少しずつCBDやCBNの認知が広がってきていますが、まだまだ外の世界へ広がっていかないのは、価格の高さもあるのでしょう。
とは言うものの、濃度を薄めて安価な価格帯で売れば、「CBDって、何も感じないじゃん」という商品が広まってしまう気もしています。そこがCBD業界の、難しいところだと感じています。
CBD商品にも、女の子向けのおしゃれなパッケージのものが増えてきましたが、本当に体感あるの?というくらい、‟おしゃれ優先”のものが多い。そうではなく、製造した自分自身も体感を感じられる商品を作りたかったんです。
ーーどのような人に、Still Dreamin'の商品を使ってもらいたいですか?
大松さん:僕はもともと出版社で雑誌の編集をしていたのですが、出版社を退職した後の10年以上の間も、女性誌に携わることが多くありました。そのため、仕事相手の8割5分ほどが女性で、いわゆるギャルモデルの方などとも、付き合いが多かったんですね。
ギャルって、すごく元気に見えて、悩み事がないイメージですが、実際に話してみると普通の女の子と変わらない。逆に、ギャルでない女の子よりも病んでる率が高いのでは?と思うくらい、繊細な人が多いんです。そのような、僕がこれまでに接してきたギャルたちにも、もちろん使ってもらいたい。
どんなタイプの人間だって生活をしていれば当然ストレスは溜まるし、精神的に不安定になることもあります。そのような人たちに、Still Dreamin’でリラックスしてもらいたいですね。
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