CBDはリラックス効果、関節痛の緩和などの体に有用な効果があることで知られており、日常的に摂取される方も多いでしょう。
その中で特にこれから摂取を検討している方にとってはCBDの摂取後に運転できるかは重要な懸念点なのではないでしょうか。
この記事ではCBD摂取後の運転、薬物検査について解説します。
1. CBD摂取後の運転に関する研究結果
2020年に米国医師会雑誌に発表された研究によると、CBDの摂取は運転に必要な能力を低下させないということがわかっています。オランダで行われたこの研究では実際に男女22人による高速道路上での実験が行われました。参加者はTHCのみ、THCとCBD、CBDのみ、偽薬(プラシーボ)を含んだベイプをそれぞれ摂取した後に高速道路で約1時間運転し、蛇行具合など運転のパフォーマンスを測定しました。
実験の結果、偽薬を摂取した場合とCBDを摂取した場合の運転の能力に差はなく、思考能力の低下も見られませんでした。CBDはTHCと違い精神作用を起こさないため、頭の回転が遅くなるなどの運転を阻害する作用は見られません。
しかし、この研究の結果は実験で使われた摂取量に限られたものであり、運転には慎重になるべきだと研究者は述べています。
2. 運転を阻害する可能性のあるCBDの副作用

CBDには様々な作用がありますが、運転能力を阻害する可能性がある効果も持っています。
①CBDと抗うつ剤の併用の影響
CBDを抗うつ剤など脳の働きを遅くする作用のある薬と併用すると眠気を引き起こす可能性が高くなります。そのような効果を持つ薬とCBDを同時に摂取するのは運転前は特に控えましょう。
②眠気
CBDは運転において危険な眠気を引き起こしてしまうかもしれません。
CBDは松果体を活性化させると言われています。松果体とは睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌する脳の器官であり、人間の睡眠において重要な役割を持っています。CBDが松果体を刺激することによってメラトニンの分泌量が増え、眠気が引き起こされます。
また、眠気が引き起こされることに伴い周りに対しての注意力が低下してしまうことがあります。
③腹痛
CBDは胃腸の治療や予防に効果があると言われていますが、逆に消化器官にストレスを与えてしまうことがあり、下痢などの症状が表れます。運転中に腹痛に襲われることもあるかもしれません。
④立ちくらみ、低血圧
CBDは血圧を下げる効果があり、高血圧の治療に有効です。しかし、逆に摂取量によっては血圧の低下により立ちくらみが起こることもあります。
CBDを摂取することにより運転に支障が出てしまうことがあるかもしれません。運転する前に自分の体調を確認し、上記の症状が見られる場合は慎重を期すべきでしょう。
参考
出典:東京大学
出典:U.S. FOOD & DRUG ADMINISTRATION
出典:The rat pineal gland comprises an endocannabinoid system
3. CBD摂取後の運転に関する日本の法律
現在日本でCBDの摂取は禁止されていないため、CBD摂取後に運転することは法律違反ではありません。しかし、CBD製品の中には微量のTHCが含まれている可能性があります。日本ではTHC関連の規制が厳しいため、特に運転する前などはTHCフリーの製品を選びましょう。
運転前にCBDを摂取することは基本的に支障はないという研究結果は出ていますが、眠気など上記の作用を感じることがあるかもしれません。摂取後の運転前は体調を注視するようにしましょう。
4. 最後に
CBDを摂取することにより運転に支障が出てしまうことがあるかもしれません。運転する前に自分の体調を確認し、上記の症状が見られる場合は慎重を期すべきでしょう。