今回はCBDビジネスを始める上での販売・マーケティング施策を整理してみたいと思います。
筆者はベンチャーで消費者向け(B2C)の商材を販売しておりますが、似た事業を行っている方など、ぜひ参考にして頂ければと思います。
また、CBD原料に関する詳しい情報をお探しの方は下記よりご覧ください。
1. はじめに
マーケティングの概念は色々ありますが、売れ続ける仕組みを作る活動として捉えています。
商品が売れる要素は4Pで整理されることが多いです。
- Product
- Price
- Place
- Promotion
販売活動においては、連絡先を持っている知人の範囲を越えて、不特定多数の人にアプローチし続ける仕組みを作る活動が必要です。
そのためには、日々の営業活動に加えて、波及効果、つまり商品の認知が徐々に広い範囲に及んでゆく仕組みを生み出すことが重要です。
各要素について以下で解説していきます。
2. 商品設計(Product)
CBDについて「まだ聞いたことがある」という程度の顧客は、CBDについて様々な理解を持っています。
- リラックスできる健康成分で身体に効くみたいね。
- 最近海外で話題で、有名人の〇〇さんも使っているんだって。
- カンナビジオールっていう「合法大麻」らしいよ。
購買までには、正しい情報を与え、商品の価値を正しく理解してもらう必要があります。
商品コンセプト
CBDを摂取すると、下記の3つの効果があると言われています。
商品コンセプトやキャッチコピーを、この3つの効果のいずれかに当てはまるものにすることで、顧客が正しい期待値を持つことができます。
薬機法で「効果を表示できない」という制約などもありますが、CBDを摂取することのメリットを強調しましょう。
身体作用・使い方の解説
その上で、下記を細かく解説して上げると丁寧で、顧客が自分自身で検索をしたりなどする手間を軽減させられます。
- 身体作用の原理
- 副作用
- 適切な摂取方法・量
- 摂取シーン
効果実感を期待して始められる顧客が多いので、摂取量や方法の工夫は特に重要になってきます。
1回あたりの摂取量から計算して、含有量を決めましょう。
市場動向の予測・競合分析
また、海外の事例を参考にすると、下記の順に市場が発展すると予測されます。
競合が多く参入している市場へ商品を出しても「選ばれる理由」を作ることが難しいので、まだ市場に無い商品を出すと競争を避けられると思います。
差別化
「選ばれる理由」を作るため、利用シーンや顧客層を定義し、例えば、下記のように商品のユニークなポイントを作ることが重要です。
- CBD以外の健康成分を混ぜる(CBD × ビタミン)
- 「〇〇」専用CBD(ヨガ・フィットネス)
- 有名人・医師の監修
日本よりも進んでいる世界の事例を情報収集して、イメージを広げていくのがアイディアブレストをするのに良い方法です。
3. 価格設定(Price)
CBD販売の際の価格設定について解説していきます。
購買決定における価格の影響
CBDは生活必需品ではなく、嗜好品の分野に入る商材です。
例えば米やパンのような生活必需品は、少々の価格変動があっても消費量を変更するわけにはいかないので、価格の変化による購買量の変化は小さい(弾力性は低い)です。
一方で、ブランドアイテムなどの嗜好品の場合は、価格の変化による購買量の変化が大きい(価格弾力性が高い)です。
そのため、価格設定が売上に大きく影響する商材なのでとても重要になります。
CBDのmg単価
顧客は「CBDを摂取したい」という意識で商品を購買するので、購買における判断基準は「CBDの含有量」のウエイトが大きくなります。
1つの案として、CBDのmg単価(税込)を基に価格設定することができます。国内のCBD商品を見てみると1mg単価が「10〜25円」に収まる製品がおすすめできるのではないかと、考えています。
CBD商品を購入する際、CBDの含有量を確認してみてください。例えば、30mlのオイルに600mgのCBDが含有されているとします。そして、小売価格で12,000円(税込)で販売されているとしましょう。この例の場合、12,000円/600mg=20円/mgとなりますので妥当な価格設定であると言えます。
容量が大きくなればなるほど、CBD含有量も増えますが、ボリュームディスカウントを効かせると、より大容量の製品を買おうとするインセンティブが働くので有効です。
4. 販売チャネル(Place・Promotion)
販売チャネルはたくさんありますが、どれかに経営資源を集中させて、局所的に1番を取ることが重要です。
代理店への卸売
販売代理店を募集したり、商品と相性が良さそうな店舗やWebサイトへ販売を委託する方法です。
販売先へ利益を持たせる必要があるため、利益率は低下しますが、商品の認知度を一気に広げられることができるのがメリットです。
ブランド力がある、集客力がある、チェーン展開をしているなどの店舗へ納品することができれば商品の信用力にも繋がります。
売り方や価格設定などをコントロールし、消費者からの商品への認知は代理店毎に大きく異ならないようにする工夫も必要です。
モールへの出店
米国の連邦法でCBDは規制されているので、GAFA関連のサービスでは出品が禁止されており、amazonは使うことができません。
そのため、大手モールでは、楽天とYahoo Shoppingの2択になります。
楽天は出店料をとられますが、Yahoo Shoppingは無料で出店ができます。楽天の方が国内で利用者は多いので、商品の反響を見て判断するのがよいかもしれません。
検索エンジン最適化(SEO)
検索エンジン(主にGoogleやYahoo)をユーザーが使う際「このキーワードで検索したときに自社のサイトを表示して欲しい」という意図で、Webサイトを最適化します。
Googleの公式ページでは、検索アルゴリズムが表示順位を決める主な要素として、下記を挙げています。
・ページの関連性(タイトル、本文中のキーワード、被リンク先など)
・コンテンツの品質(更新頻度、滞在時間など)
・ユーザービリティ(ページの読込速度、デバイス・ブラウザの対応など)
・検索文脈(現在地、検索履歴、言語、急上昇中のキーワードなど)
検索順位のチェックツールで表示順位を確認しながら、SEOに関連する要素を1つずつ改善していく取り組みです。
効果が出るのに少なくとも3ヶ月以上はかかると言われますが、上位表示を獲得すれば、商品が売れ続ける体制をとして機能します。
SNS運用
SNSは様々な運用方法がありますが、商材によってどのチャネルを使うかが重要です。
拡散性が高いのはTwitterとFaceookです。他のSNSにシェア(共有)機能はありません。
また、TwitterとInstagramは、一方的に情報収集ができるフォローという機能がついています。そのため、友達だけでなく、不特定多数の人と関係構築が進むスピードが早いことが特徴です。Facebookは承認が必要です。
とにかく拡散する場合はTwitter、画像情報を使って拡散するならInstagramがおすすめです。
実名性を意識するならFacebookといったSNSの機能に商材やユーザー層を掛け合わせて選択するのが良いと思います。
こちらの各媒体の説明動画も参考になります。
使うSNSを決めたら、次はフォロワーを増やす活動になります。主に下記の取り組みをする場合が多いです。
・他者のためになる・共感を呼ぶコンテンツを投稿し続ける。
・コンテンツと一貫させながら、自分のプロフィールを定期更新する。
・いいね/コメント/シェアで他者の投稿の拡散を応援する。
影響力のあるレベルまでフォロワーを獲得できると、新商品のリリースやキャンペーンなどの実施の際、影響力が大きく、成果に繋がりやすいです。
広告
広告はお金を払って、媒体に露出し、顧客を獲得しにいく施策です。
確実に認知度が高まる一方で、ユーザー層の合う媒体選びや広告メッセージによって、CPA(1ユーザーあたりの顧客獲得費用)が変わってきます。
CPAが限界利益を上回らない範囲で、投資を行う必要があります。リスティング・SNS・アドネットワーク・インフルエンサー・アフィリエイト・展示会など、様々な種類があります。
基本的には、最も効率よく獲得ができるCPAの低い層へのアプローチからスタートし、徐々に広げていきます。
獲得コストが低い客とは、課題を調べている顧客ではなく、解決策、すなわち商品を調べている顧客です。
例えば、不眠用のサプリを販売したいとすると、アプローチすべきは「睡眠 疲れ 取れない」などではなく「睡眠 質 サプリ」を検索する購買検討中の顧客になります。
検索キーワードに応じて出すリスティング広告はCPAが低く、属性を絞って出向できるSNS広告やインフルエンサー広告はCPAが普通、ディスプレイ広告など、偶然目に触れるバナー形式の広告はCPAが高いと言われています。
広告は費用はかかりますが、短期的な成果を生みやすいのが特徴で、設定が最適化できてくると微妙なチューニングのみで、成果を上げ続けることができます。
インフルエンサーへのサンプリング
営業というと、1人1人の顧客に向き合って、話をする姿をイメージされると思います。しかし、それでは人を増やさない限り、営業効率は高まりません。
この人/組織が買ってるから、自分も買おうという発想で、一部の人から周りに波及していきます。このように、営業する際は、センターピンの特定と近寄り方が重要です。
センターピンとなる人に無料でサンプリングをするなどし、もし商品のファンになってくれるなどすれば、その後一気にそのコミュニティに波及していくと思います。
コミュニティ作り (イベント・セミナー)
コミュニティを作って商品を販売していくことも効果的です。通常、企業が顧客に商品を販売すると、1対Nの関係になります。そこに商品のファン同士の交流の場を設けることで、N対Nの関係が生まれ、コミュニティ化します。
例えば、芸能人のファンクラブが、運営元から提供される情報やコンサートへの参加だけでなく、ファン同士の交流があることが楽しみの1つになっているイメージは湧くと思います。
コンサートで発する掛け声だったり、オフ会などは運営企業の手を離れてファンによって生み出された内容の1つです。
商品を熱狂的に好きになってくれたファンをコミュニティ化すると、その人たちはコミュニティの外へ向けて、活動内容を発進、ファンの輪を広げようとします。
最初は企業のコミュニティマネージャーが担っていた役割を、ファンが代替し始めると、ファンのみでコミュニティが運営される自走状態となります。
但し、そのためには商品やコンテンツの質が高く、少数でも商品を熱狂的に好きな人がいることが前提になります。
口コミ (話題性・バズり)
世の中のトレンドを読み、SNSやプレスリリースなどで、話題性のある内容を発進し、バズらせることで一気に認知を拡散する方法です。以前、話題になった下記ブログは、多くの人の共感を呼びました。
ここにバズったツイートの事例が載っていますが、特にバズりやすいジャンルは仕事、恋愛・友情、サブカル、家族、教育、健康の6分野だそうです。
最後にですが、新規でCBDビジネスをご検討されている方へ下記のサービスを行っております。各ページにて詳細をご覧いただければ幸いです。
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