統合失調症とは、ものごとの認知能力や感情コントロール、意思決定力などが大きく損なわれる深刻な精神疾患です。治療が難しい精神疾患として知られており、症状も多岐にわたります(幻覚や妄想、意欲低下など)。
最近の研究では、CBDが統合失調症の治療に使用できる可能性があることが分かってきました。既存の治療薬と比べて、副作用が少ないことを示す研究事例もあります。一方で、大麻の使用が統合失調症を悪化させると考える専門家も少なくありません。
この記事では、CBDが統合失調症の治療手段として期待されている理由や、最新の研究事例をご紹介します。
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参考: CBD(カンナビノイド)・テルペンの原料卸販売
統合失調症は100人に1人がかかる?
日本の統合失調症患者数は、約80万人いると言われています。また、世界の人口のうち、一生の間に統合失調症にかかる確率は、全体の0.7%だと推測されています。発症する確率が比較的高い病気ですが、統合失調症の病因はまだはっきりとは分かっていません。
統合失調症になると、さまざまな種類の症状が現れることがあります。具体的には、発症後に現れる「陽性症状」と、発症前の健康状態が損なわれる「陰性症状」に分けられます。
(画像引用)出典:統合失調症とは?
■陽性症状
- 幻覚や幻聴
- 妄想
- 思考の障害(考えや行動にまとまりがなくなる)
■陰性症状
- 意欲の低下
- 抑うつ、倦怠感、引きこもり
- 感情が乏しくなる
統合失調症の患者さんは、思考や行動、感情などをまとめる能力が低下していると考えられています。本人には幻覚や妄想(悪口を言われている、監視されているなど)と、実際に起きている出来事との区別が付きにくく、なかなか病気に気付けないケースも多いようです。
陽性・陰性症状以外にも、認知機能に障害が起きることが知られています。主な症状は、集中力や記憶力、処理能力の低下です。仕事や勉強に対する集中力や、物事をこなす処理能力が大幅に落ちてしまいます。
このように、統合失調症にかかるとさまざまな症状が現れ、仕事や学業、人間関係に大きな影響が及んでしまう可能性があります。
参考
出典:厚生労働省 | みんなのメンタルヘルス
出典:日本精神神経学会 | 統合失調症について
出典:Mayo Clinic | Schizophrenia
統合失調症と大麻
統合失調症の原因はまだ分かっていませんが、遺伝、脳内化学物質(神経伝達物質)、そして環境の組み合わせが発症に影響していると考える研究者が多くいます。
神経伝達物質とは、脳細胞間でのメッセージの受け渡しを行う化学物質のことです。脳内の神経伝達物質のレベルを変化させる薬物を使用すると、統合失調症の一部の症状が緩和されることが知られています。いくつかの研究では、2つの神経伝達物質(ドーパミンとセロトニン)が、統合失調症に関与している可能性が示されています。
(画像引用)出典:Dopamine Study Explores New Mechanisms of Schizophrenia
また、薬物の乱用が、統合失調症などの精神疾患の発症リスクを高めると考える研究者もいます。例えば、15歳以前に高濃度のTHCを含む大麻を日常的に使用すると、非使用者と比べて、精神疾患の発症リスクが5〜6倍高くなるという研究があります。
一方で、精神活性作用が無いと考えられているCBDは、さまざまな精神疾患の治療に役立つ可能性があります。
(画像引用)出典:What role can CBD play to support mental health?
2020年に発表されたレビュー論文によると、動物実験にてCBDが統合失調症の症状改善に有効であることが示されています。また、別の実験では、CBDが幻覚の症状を軽減する可能性があることが分かりました。
大麻と精神疾患の発症リスクや因果関係を正確に知るには、さらなる研究が必要です。しかし、CBDの統合失調症に対する有効性を示唆する研究が増えているのも事実。また、CBD含有量が多い大麻については、精神症状の体験が少ないことを報告する研究もあります。
次の章では、CBDと統合失調症に関する研究事例をいくつかご紹介します。
参考
出典:Causes - Schizophrenia
出典:Can Marijuana Trigger Schizophrenia—or Help Treat It?
CBDは治療効果が高く、副作用が少ない?
統合失調症に対するCBDの治療効果が初めて報告されたのは、2012年に行われた臨床研究です。この研究では、統合失調症患者にCBDとアミスルプリド(統合失調症に使われる抗精神病薬)を使用して効果を比べた結果、以下のことが分かりました。
- CBDは、アミスルプリドと同じくらい精神症状を改善する可能性がある。
- CBDを使用した場合、アミスルプリドの使用に伴う副作用(運動障害、体重増加)は報告されなかった。
また、2021年の研究では、CBDがアミスルプリドと同等の認知機能の改善効果があることが示されました。この実験でテストされた認知機能は、視覚記憶や処理速度、及びそれらの持続力などです。
CBDとアミスルプリドを比較したこれらの研究は、CBDが統合失調症に対して、従来の抗精神薬と同等の治療効果があることを示唆しています。また、副作用が少ないことも考慮すると、今後の研究次第ではCBDがより良い治療手段となる可能性を示しています。
(画像引用)出典:Study: Out of 2,400 CBD Users, 42 Percent Gave Up Pharmaceutical Drugs
一方で、上記の2つの研究は、サンプル数が少なく、治療期間が短いことが指摘されています(統合失調症が慢性的な精神疾患であるため)。そのため、CBDの効果をはっきりと証明するためには、より大規模な臨床研究が必要だと考えられています。
▼研究詳細 ①CBDの精神症状改善効果について(2012年) 対象:39人 CBDの平均投与量:800mg 使用された製剤:不明 治療期間の中央値:4週間 ①CBDの認知機能改善効果について(2021年) 対象:42人 CBDの平均投与量:800mg 使用された製剤:不明 治療期間の中央値:4週間 |
参考
出典:Understanding the Potential Benefits of Cannabidiol for Patients With Schizophrenia: A Narrative Review
出典:Cannabidiol enhances anandamide signaling and alleviates psychotic symptoms of schizophrenia
出典:Cannabidiol and Amisulpride Improve Cognition in Acute Schizophrenia in an Explorative, Double-Blind, Active-Controlled, Randomized Clinical Trial
CBDが統合失調症に作用するメカニズム
統合失調症に対する治療効果や、副作用の少なさが注目されているCBD。従来の抗精神薬とは、作用する方法が異なる可能性があることも、CBDが期待されている理由の一つです。
統合失調症の治療に使用される抗精神薬は、ドーパミン受容体の働きを抑える効果があると考えられています。そのため、多くの抗精神薬は、統合失調症の陽性症状に効果的ですが、陰性症状や認知機能の改善に対しては、影響が少ないことがあります。また、統合失調症患者の約1/3においては、抗精神薬の効果が低いという報告もあります。
一方で、CBDはドーパミン受容体には直接作用しないと考えられています。CBDの統合失調症に対する具体的な作用メカニズムはまだ不明ですが、エンドカンナビノイド(内因性カンナビノイド)の一つであるアナンダミドの体内(脳脊髄液)濃度を高めることを示す研究があります。
体内のアナンダミド量は、精神病症状と反比例の関係にあると考えられています。そのため、アナンダミド量が高くなると、精神症状が改善される可能性があります。
また、スイスで行われた研究では、CBDを補助的に使用すると、抗精神薬の使用量が減ることが報告されました。
統合失調症や他の精神疾患を持つ患者さんが、4週間にわたり従来の抗精神薬に加えて、CBD入りのタバコを使用しました。その結果、CBDの使用が抗精神薬の使用量の減少につながることが分かりました。
この研究の実施者は、CBDが精神疾患の補助療法として使用できる可能性があると考えています。
▼研究詳細(スイス) 対象:31人 CBDの平均投与量:不明 使用された製剤:不明(THC濃度1%未満のCBDタバコ) 治療期間の中央値:4週間 実施年:2021年 |
参考
出典:Cannabidiol (CBD) as an Adjunctive Therapy in Schizophrenia: A Multicenter Randomized Controlled Trial
出典:Clinical Trial: CBD Cigarettes Associated with Reductions in Antipsychotic Medications in Patients with Schizophrenia
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