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【決定版】現代の大麻観光論

アメリカ・オレゴン州の大麻ファームから、こんにちは。

OFF Inc.という東京の目黒を拠点とする大麻の会社の代表を務めるヨーダです。

今回はアフターコロナでますます注目される大麻観光について書いていきます。


(ヨーダのSNS:Twitter | YouTube | Instagram

 

1. 大麻観光とは何か?

まず、大麻観光とは何か説明します。

世界には、大麻が合法な国や地域があります。

そんな場所へ大麻を目的に訪れることを大麻観光と呼びます。

英語では、Cannabis Tourismといいます。

 

2. 現代の観光産業

大麻観光について詳細に説明していく前に、観光産業全体の状況を把握しておきましょう。グリーンラッシュもすごいですが、ツーリズムもすごいんです。 

コロナもあり観光産業は2020年〜2021年と停滞。

2019年までの世界の観光産業の市場規模は右肩上がりに堅調に推移。
世界の観光市場はGDPの9%を占め、350〜400兆円。
アフターコロナの2023年は消費のリバウンドも見込まれ、2019年同等それ以上に伸びることが予想されています。

次に、日本の観光産業を俯瞰してみます。

コロナ期間は除きますが、日本を訪れる外国人観光客こそが、産業の成長を支えています。
事実、外国人観光客数は急速に伸びています。

イギリス人アナリストのデービッド・アトキンソン氏は『新・観光立国論』(*1)という著書で、日本の観光産業について以下のように語っています。

「日本は観光後進国だが、大きなポテンシャルあり。
人口減少は観光客の増加で乗り越えられるほどのポテンシャル。
具体的には、2030年に外国人観光客8200万人も夢物語ではない。 」

2030年に日本の人口は1.1億人と予想されています。
この時、外国人観光客が8200万人もいる様子を想像してみてください。
日本に限らず世界はこれからますます観光客で満たされていきます。

21世紀は間違いなく観光の時代です。

 

3. 産業としての大麻観光

それでは大麻観光の概要について見ていきましょう。

海外には大麻が合法な場所が多く存在します。

例えば、アメリカでは医療用途で全米50州のうち40州、嗜好用途で23州が大麻を合法化しています。(2023年7月末時点)

最近ではタイで大麻が非犯罪化されたことも記憶に新しいのではないでしょうか。

アメリカやタイ以外にもカナダなど多くの国で大麻が合法化しています。
そして、この数は毎年増えています。

このような大麻合法化ムーブメントや観光産業全体の成長もあり、大麻観光市場は躍進中です。

2021年の世界の大麻観光市場規模は170億ドルでした。

また、2021年のアメリカの大麻販売収益250億ドルのうち45億ドルが観光客による収益だったようです。

次に大麻観光事業者の具体的なパターンについて説明します。

大きく2パターンあります。1つは宿泊系、もう1つは体験系です。

宿泊系とは、大麻喫煙が可能な宿泊施設やそのような宿泊施設を探し、予約できるプラットフォームのことを指します。

プラットフォームとしては例えばBUDand BREAKFAST.comがあります。

既存のホテルでは大麻喫煙ができないため、大麻使用者からは特にこのような宿泊施設が好まれています。

体験系には、大麻文化を保存し啓蒙する博物館や農場などの大麻関連施設を訪れるものや栽培した大麻を商品化するプロセスの一部をワークショップ的に体験できるものがあります。

 

4. 大麻観光体験ルポ

この章では、より大麻観光のリアルをお伝えするために、筆者が実際に体験してきた大麻観光について紹介します。

 

1つ目は、アメリカのコロラド州はデンバーで参加した約3時間のリムジンバスツアー。

69ドルでリムジンバスに乗り、他の参加者と一緒に大麻ショップやインドアの大麻栽培施設を回りました。

当時大麻について全くの無知だった自分にとっては、大麻文化について学べ、好奇心を刺激されました。

2つ目は、アメリカのカリフォルニア州のパームスプリングスにある420フレンドリー(大麻喫煙可能)なホテル。

パームスプリングスはカリフォルニアのLAから東に車で2時間くらいの場所にあるリゾートエリアです。

宿泊料金はリーズナブルで、1泊約200ドルで宿泊できました。

施設中央に複数のスパが付いており、スパを丸く囲むように部屋が並んでいます。

スパでくつろぎながら、大麻を嗜める天国のような空間でした。

3つ目は、タイのバンコクのリゾートホテル内にある美容スパ。

90分約115ドルで、ヘンプ由来のオイルマッサージによる全身施術を受けられます。

大麻は吸ったり、食べたりするイメージが強いかもしれませんが、皮膚に塗布する方法もあります。

フルスペクトラムのCBDオイルを肌に塗布した時の気持ちよさは格別です。

4つ目は、日本の栃木県は那須にある大麻博物館。

2001年にできた世界的にも珍しい私設の博物館で、館長が大麻への熱い想いを持って運営されています。

日本の大麻文化を取り扱っているので、繊維としての大麻について理解が深まります。

5つ目は、こちらも栃木県にある麻紙と麻炭の製作所。

栃木県の鹿沼には今となっては急減してしまった麻農家が存在する珍しい地域です。

そんな鹿沼で400年も代々と大麻農家をされてきた大森さんが運営しているのが野州麻紙工房・野州麻炭製炭所です。

大森さんが実際に収穫した繊維用の大麻をもとに紙やタペストリーなどを作るワークショップを体験できます。

価格は1,000円〜から。詳しくはHPをご確認ください。

 

5. 大麻の国外使用

大麻観光を検討する上で、大麻を日本国外で使用した場合、逮捕されてしまうのか?

気になる方も多いと思うのでお答えします。

結論からいうと、国外への大麻観光は合法です。

過去に国外での大麻の使用を理由に逮捕起訴された日本人はいません。

 

大麻取締法の第二十四条の二

大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。

 

この条項を根拠に大麻の国外使用は違法だという方がいます。

ところが、法学者の園田先生はこのような意見に以下のように異議を唱えています。

植村立郎「大麻取締法」注解特別刑法5-II医事・薬事編(2)[第2版]VII、97頁

「みだりに」といえるためには、日本だけではなく、その国でも違法性を有し、処罰可能でなければならない。 

政府の公式見解を尋ねたいー大麻が合法な国との関係

大麻を合法化した国で、現地の法律に従って合法に大麻を購入したり所持したりした場合には、大麻取締法の要件を満たしていないので、帰国後に大麻取締法で処罰されることはない。

 繰り返しになりますが、国外での大麻観光は合法です。

 

6. 文化としての大麻観光

最後に、大麻観光を産業の視点ではなく、文化の視点から考察します。

大麻観光の定義に戻って考えます。

大麻観光 = 大麻が合法な場所へ大麻を目的に訪れること、と最初にさらっと定義しました。

よく考えると、

「大麻文化は大麻違法時代からあるけど、大麻観光はどうだったの?」

という疑問が浮かんできます。

実は、大麻観光の歴史は新しくありません。

例えば、『マリファナ青春旅行』(*2)、『深夜特急』(*3)という本が有名です。

違法時代ですらリスクをとって大麻を海外で入手し楽しんでいる著書の様子が本の中では描かれています。


次に、大麻観光を観光文化の視点で分析してみます。

現代に近しいスタイルの観光は19世紀から始まります。

トマス・クック(*4)というイギリス人がヨーロッパ大陸へのグランドツーリズムを企画したのが観光の始まりと言われています。

貴族向けの閉ざされた観光は徐々に大衆化していきます。

海水浴のような日帰り旅行は観光の大衆化の一例です。

そして、現代の観光は多様化しています。以下のような例があります。

哲学者の東浩紀氏(*5)はチェルノブイリ原発事故跡地へのダークツーリズム(*6)を年に一度運営されています。

 

観光の歴史をみると、大麻観光は多様化する観光の時代の象徴的存在になりうると感じています。

ジョン・アーリ(*7)などの観光社会学者によると、観光は産業革命の影響で人類の余暇が増えたことで誕生しました。

人類は余暇を踏まえたライフスタイルをデザインするようになり、観光はその選択肢の一つだっただったわけです。

余暇にもってこいの観光に、嗜好用にもってこいの大麻がかけ合わさることで、より本質的な観光が誕生したといえます。

大麻文化と観光文化のどの文化の切り口でみても大麻観光の大きなポテンシャルを予測できます。

 

もう少し深く大麻観光について考えてみようと思います。

東浩紀氏は、『観光客の哲学』(*8)という自著の注釈内で「観光客は小さな人類学者であるべきだ」と提言しています。

この本は哲学書なので内容は抽象的ではあるものの、観光客に関しての新しい捉え方を教えてくれました。

たしかに、観光客は人類学者的な視点を身に着けやすいように思います。

私には、大麻観光を通して大麻を知ったミニ人類学者が、指数関数的に増えることが想像できました。

人類学者が増えれば、大麻に関するスティグマも減っていくに違いないでしょう。
つまり、大麻のノーマライゼーションは加速します。

ニューヨークはすでに最近嗜好用大麻を解禁していますが、他に日本人の観光先として人気なハワイやパリで大麻が解禁される未来を想像してみてください。

ますます大麻のノーマライゼーションは加速するでしょう。


これまでは、大麻観光といえば、欧米が注目されてきました。
タイが大麻を解禁した今、アジアへの大麻観光も注目されつつあります。

もともと大麻はアジアが原産ですし、アジアにはアジアの大麻文化が存在します。
例えば、インドではバングやチラムという独自の大麻文化が存在します。 

日本で大麻が合法化したあかつきには、欧米から温泉めがけて観光に出かける観光客が目に浮かびます。大麻温泉ほど余暇にふさわしいウェルビーイングな観光体験はないでしょう。

産業の観点からも文化の観点からも大麻観光に目が離せません。

東浩紀氏は『観光客の哲学』の中で21世紀を観光の時代だと宣言しながらも、テロリストの時代でもあると警告しています。

今回のこのテキストは大麻に関する違法行為を促す目的で書かれたものではありません。

くれぐれもお住まいの地域で法を犯し、大麻テロリストにならないようご注意をお願い致します。

 

7. おすすめ観光スポット

tokyo mooonを運営するOFF Inc.は2023年の7月にオレゴン州に現地法人を設立し、大麻観光事業を開始しました。CBDの原材料であるヘンプを栽培しているファームなどに皆さんをご案内し、グローバル基準で大麻について学んでいただける機会を提供しています。 

ご興味のある方は、詳細を以下ページよりご覧ください。

   

観光事業の詳細はこちら

   

8. 注釈

(*1)新・観光立国論

イギリス人経済アナリストのデービッド・アトキンソン氏による日本経済の成長施策に関しての提言がまとまった書籍。

著者はイギリス人でありながら、日本文化への造詣が深い。

オックスフォード大学で日本学を修め、現在は日本企業で伏見稲荷などの伝統建築の補修などを手掛ける会社の代表を務める。

彼によれば日本の観光産業はポテンシャルありまくり、厳しくいうと観光後進国。

彼は観光産業を分析する際に、自然、気候、文化、食のフレームワークを駆使する。

このフレームワークで日本を分析すると、日本の観光資源はまだまだ正しく評価されていない状態のようだ。

日本人は「おもてなし」が外国人から評価されていると勘違いしていると、現状の日本の観光のあり方を手厳しく批判する書籍でもある。

彼の主張の概要は彼自身のこちらのスライドで理解できる。

(*2)マリファナ青春旅行

著者・麻枝光一(まえだこういち)氏の大麻をテーマに世界を巡るバックパッカー旅行記。

97年の出版。後述の『深夜特急』とよく比較され、「大麻版の深夜特急」とも呼ばれたりする。

アジア・中近東編と南北アメリカ編の上下巻がある。

アジア・中近東編では、韓国、フィリピン、香港、中国、タイ、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、イラン、トルコ、シリア、イスラエル、エジプト。

南北アメリカ編では、ギリシャ、サウジアラビア、アルジェリア、アメリカ、メキシコ、ベリーズ、グアマテラ、エルサルバドル、パナマ、コロンビア、パナマ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、オーストラリア、ソ連、日本。
を巡る。

麻枝氏は大麻堂という喫煙具やCBDなどの大麻関連製品を取り扱うショップを東京や大阪、シアトルなどで創業し、経営。

2022年1月に鬼籍に入る。

本を読むと、90年代のタイは厳しく大麻は管理されていたことが伺える。

2020年代にはタイはアジアで初めて嗜好用大麻を非犯罪化した。

マリファナ青春旅行の出版から30年経ち、大麻を巡る規制は緩和の方向に加速している。

 

(*3)深夜特急

ノンフィクション作家の沢木耕太郎によるバックパッカー旅行記。

シルクロード時代のような地上の旅をローカルバスを乗り継ぎ、インドからイギリスを目指すノンフィクションの紀行小説。

1986年に初版が刊行され、80年代90年代のバックパッカーブームの火付け役であり、当時のバックパッカーのバイブルだった。

96年にはドラマ化もされている。

同書内では著者がハシシ(大麻)を吸う記述がある。

このブログの著者のヨーダも何度かヨーロッパ、南米、アジアへとバックパック旅行に出かけたことがある。

紹介した小説とは裏腹にヨーダはバックパッカー中に大麻に出会うことはなかった。実に不思議である。

 

(*4)トマス・クック

世界最古の旅行代理店の創業者。近代観光の父とも言えるのがトマス・クック氏。
1851年のロンドン万博で団体旅行を企画、実施。

彼はプロテスタント系のキリスト教の宣教師で禁酒活動をしていた。

禁酒活動の支援者を連れたツアーが世界最初の団体ツアーだった。

2019年にトマス・クック社はデジタル化の波に乗れず破産申請。

現代の観光は大麻観光がリードしていくかもしれない。

 

(*5)東 浩紀

東 浩紀(あずま ひろき)は、日本の批評家、哲学者、小説家。株式会社ゲンロン創業者および取締役、合同会社シラス元代表取締役。

哲学、表象文化論を専攻。現代思想の研究のほか、サブカルチャーに積極的に発言、小説も執筆している。

著書に『動物化するポストモダン』(2001年)、『ゲンロン0ー観光客の哲学』(2017年)など。Wikipediaより引用。

「観客と配信者がともに育つ新しい放送プラットフォーム」というコンセプトの動画配信プラットフォーム・シラスでは人文科学寄りの専門家が多数知的興味をそそるコンテンツで人文ファンを魅了している。


(*6)ダークツーリズム

戦跡や災害被災地など、死・暴力・虐待などの悲劇にまつわる場所を訪問する観光のこと。

イギリスの学者とジョン・レノンらが1990年代後半に提唱した観光の概念。

以下がダークツーリズムの事例。

広島の原爆ドーム(日本)、網走刑務所(日本)、トゥールスレン虐殺博物館(カンボジア)、アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所(ポーランド)オーストラリアの囚人遺跡群(オーストラリア)、チェルノブイリ原発事故跡地(ウクライナ)、グラウンドゼロ、9/11 メモリアルミュージアム(アメリカ)、ムランビ虐殺記念館(ルワンダ)

学びが娯楽の時代にはもってこいの観光とも言える。

エコツーリズム、ヘルスツーリズム、スポーツツーリズム、フードツーリズムなど多様な観光が生み出されている。

大麻ツーリズムも学びの側面が大きい観光として浸透すると予測している。

(*7)ジョン・アーリ

ジョン・アーリ(John Urry、1946年6月1日 - 2016年3月18日)は、イギリスの社会学者。観光社会学の研究、「移動の社会学」によって世界的に知られている。

アーリは、ミシェル・フーコーの「まなざし」の概念を用いて、近代の観光現象に迫る。アーリいわく、「観光とは、日常から離れた景色、風景、町並みなどに対してまなざしを投げかけること」である。Wikipediaより引用。

観光学というジャンルを切り開いた。

 

(*8)観光客の哲学

著者・東浩紀の『ゲンロン0――観光客の哲学』(ゲンロン、2017年)のこと。
『弱いつながり――検索ワードを探す旅』(幻冬舎、2014年)の次に書かれた本。

弱いつながりで紀紀伊國屋じんぶん大賞2015を受賞した東は以下のような話を展開する。

本書でぼくが訴えたかったのは、ひとことで言えば、「哲学とは一種の観光である」ということです。

観光客は無責任にさまざまなところに出かけます。好奇心に導かれ、生半可な知識を手に入れ、好き勝手なことを言っては去っていきます。

哲学者はそのような観光客に似ています。哲学に専門知はありません。哲学はどのジャンルにも属しません。

それは、さまざまな専門をもつ人々に対して、常識外の視点からぎょっとするような視点を一瞬なげかける、そのような不思議な営みです。

これを読み、多様な観光が生み出される現代において、哲学的で、瞑想的な学びを体験できる観光は、大麻ツーリズム、アヤワスカツーリズムくらいかもしれないと強く思った。

 

9. 参考文献

新・観光立国論

観光客の哲学(増補版)

深夜特急

マリファナ青春旅行

訪日外国人旅行者数・出国日本人数

国連世界観光機関2015年白書

政府の公式見解を尋ねたいー大麻が合法な国との関係

Marijuana is mainstream but weed tourism isn’t booming. Here’s why.

Cannabis Tourism Is Now A $17 Billion Industry—And It’s Just Taking Off

 

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