胸焼けや胃腸の不快感などの症状があり、食事が大好きな人にとっては辛い「逆流性食道炎」。
そんな逆流性食道炎に、大麻由来の天然成分であるCBDが効果的である可能性があります。
この記事では、逆流性食道炎の症状やその原因、CBDの逆流性食道炎に対する効能を詳しくご紹介いたします。
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1. 逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは、胃で消化途中の食べ物が強い酸性の胃液とともに食道に逆流し、食道が炎症を起こすことによって胸焼けや胃痛などを引き起こす病気です。
もともと日本人には発症しにくい病気と言われていましたが、欧米型の食生活が普及したことで発症する日本人が増えています。また、逆流性食道炎は放置すると、食道がんや大腸がんの要因ともなり得る病気です。
1-1. 逆流性食道炎の症状
逆流性食道炎の症状は実に多様と言われており、人によっては無症状でも逆流性食道炎と診断される場合もあります。
逆流性食道炎と診断される人が訴える主な症状は以下の通りです。
- 胸やけ
- 胸がむかむかする
- 前にかがむと胸やけが強くなる
- 酸っぱいものがこみあげてくる感じがする
- お腹が張っている
- 胃もたれ
- 喉のひりひり感
- 食べ物が喉や胸につかえる感じ
- げっぷがよく出る
1-2. 逆流性食道炎の原因
逆流性食道炎が起こる主な原因としては、食道と胃のつなぐ下部食道括約筋の筋力の低下があげられます。通常、下部食道括約筋は胃液の逆流を防ぐ働きをしています。しかし、この筋肉が加齢などの要因により緩んでしまうと、胃の中にあるものが簡単に食道に戻ってきてしまいます。
筋力の衰えから発症しやすいと考えられていましたが、近年若い人の発症も増加しています。
若い人が発症する原因としては、便秘や脂質の多い食生活が挙げられます。
便秘が慢性化すると、胃は常に腸から圧力を受けることになり、食堂への逆流が起きやすい状態になります。
また、欧米型の食事(ファストフードのような脂肪分の多い食事)は、下部食道括約筋を緩ませたり、胃酸を増加させるコレシストキニンというホルモンを分泌させます。このため逆流性食道炎が起きやすくなります。
この他にも、喫煙習慣・食べ過ぎ・飲み過ぎ・食後すぐに横になる・姿勢の悪さ等が要因となることもあります。
2. CBDは本当に逆流性食道炎に効くの?
逆流性食道炎の治療は、胃酸を抑制する内服治療と、生活習慣の改善が同時に行われます。内服と同時に禁煙・禁酒・運動・姿勢の改善をすることで、根本的な治療を目指します。
CBDが逆流性食道炎に効果があるかどうか確かめるには、まだまだ研究数が少ないというのが現状です。しかし、CBDの特性がその症状を軽減することで、逆流性食道炎の治療に間接的に効果を発揮する可能性は大いにあります。
2-1. 身体調節機能の食道と胃への作用
CBDには私たち人間の持つ身体調節機能に間接的に作用し、その働きを活性化させる作用があると言われています。この身体調節機能は、ECS(エンドカンナビノイドシステム)と呼ばれています。CBDのこの働きによって、私たちの体に多くの薬理効果を発揮すると考えられているのです。
ECSについての詳しい説明は、こちらの記事をご参考ください。
CBDが間接的に働きを促進させるECSの、食道や胃に対する作用を詳しく見ていきましょう。
消化器官への影響
逆流性食道炎の主な原因は下部食道括約筋の機能低下が挙げられます。
下部食道括約筋は、胃酸が胃から出ないように調整する役割を持っています。しかし、暴飲暴食、脂肪分の多い食事、不規則な食事は下部食道括約筋の働きを弱める原因となります。また、妊婦・肥満・便秘などの方は、胃をはじめとした内臓に常に圧力がかかっている状態(腹圧が高い状態)のため、胃酸が食道まで逆流し、胃食道逆流症(GERD)になりやすいといわれています。
過去の研究により下部食道括約筋の働きには、(全身に発現するカンナビノイド受容体である)CB1やCB2、そして近年第三のカンナビノイド受容体と言われているGRP55などが関わっていると明らかにされています。
胃にはCB1やCB2が発現しています。2004年に行われた研究によれば、CB1を活性化させると胃の内圧が低下し、さらに胃の容量が大きくなることがわかりました。
妊婦・肥満・便秘がちな方は腹圧が高く、胃酸が食道へ押し出される原因となってしまうため、胃内圧を低下させる作用は逆流性食道炎の原因治療に効果的であると考えられます。また、胃が広がることで食物が胃内に留まる時間が長くなるため、消化不良などの改善に役立つことも期待されてます。
胃酸の分泌抑制
食べ物を消化するために分泌される胃酸は弱酸性のため、胃以外の臓器に誤って流れ出ると粘膜を損傷し、炎症を起こてしまいます。逆流性食道炎でも見られる食道の炎症は、胃から逆流してきた胃酸が原因となります。
以下に挙げている2002年の研究では、CB1の作動薬が胃酸の分泌を抑制したと報告されています。反対に、CBDと同じ作用を示すCB1阻害薬は、胃酸の分泌を抑制する効果を無効にしたとも報告されています。
この結果は対立しているようにも見えますが、CBDを摂取後に胃酸の分泌が増加したという研究結果はありません。CBDは薬ではなく、あくまでも私たち人間が持つ本来の調節機能を正常にする一助となる成分です。したがって、CBDによる胃酸の増加を気にする必要性は低いと考えられます。
2-2. 吐き気の軽減
逆流性食道炎による胃酸の逆流は、吐き気を催す原因となります。
ECSはその吐き気のシステムにも関わっていると考えられています。
吐き気の抑制にはいくつかの受容体が関わっています。日本では禁止されているカンナビノイドの一種であるTHCは、中枢神経のCB1に直接作用し、強い制吐作用を持ちます。
CBDは間接的にCB1へ作用し、他にも5-HT1というセロトニン受容体に作用することによって吐き気を軽減すると考えられています。
2-3. 食欲の改善
CBDには食欲を増進させる作用と、抑制させる作用の両方あることが、これまでの研究結果で報告されています。
がん治療の副作用やストレス・うつ病などで食事量を維持したくても難しい場合に、CBDやTHCが食欲を増進することが明らかになっています。
しかし逆流性食道炎などの場合は、食欲を抑えて食事量を抑えなければなりません。
2012年の研究では、脂肪分の多い餌を与えたマウスにCBDを使用したところ、2度目に再び脂肪分の多い食事を与えた際に、食事摂取量の減少に繋がったと報告されています。
この効果により、CBDは肥満改善のためのダイエットや過食症に効果的であると考えられます。
2-4. 抗炎症・鎮痛作用
食道の粘膜は胃の粘膜とは異なり、胃酸の刺激から身を守る仕組みを持っていません。よって食道が胃酸に触れると炎症を起こします。また、逆流性食道炎の症状がある場合は胃や食道の運動機能が低下しています。その場合は特に食道が胃酸にさらされる時間が長くなり、炎症が起きやすいと考えられています。
CBDはセロトニンなどの神経伝達物質である受容体に働きかけることで痛みを軽減したり、和らげる作用があると明らかになっています。具体的な使用例としては、がん治療の副作用改善や、頭痛、関節痛、生理痛などの軽減に使用されています。
また、CBDは免疫細胞の活動を調整/抑制することから、全身の炎症を抑える作用があります。CBDの抗炎症作用は、肌荒れ・リウマチなどの関節炎・多発性硬化症などに効果があると考えられています。
2-5. 睡眠障害
寝つきが悪い、夜中に何度も目を覚ます、といった症状を伴う睡眠障害。
逆流性食道炎患者では、寝る(横になる)ことでその症状が強まり、睡眠が阻害される可能性があります。
CBDは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促進する働きを持つため、上述したCBDの作用で逆流性食道炎の症状を抑えつつ、良い睡眠を促してくれるでしょう。
4. Webライターの募集
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