IBS(過敏性腸症候群)とは、腹痛や便秘、下痢等の症状が慢性的に続く病気です。日常生活に支障をきたすことも多く、10人に1人が発症すると言われています。
病因はまだ解明されていませんが、ストレスや自律神経の乱れが一因だと考えられています。また、近年ではCED(エンドカンナビノイド欠乏症)との関連性が指摘されており、CBD等のカンナビノイドも治療手段として注目されています。
CBDには炎症や不安を抑える作用があると考えられているため、IBSの症状改善につながる可能性があります。しかし、科学的に効果を証明するには、今後さらなる研究が必要です。
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1. IBSは機能性の疾患?
IBSにかかると、腹痛や腹部の膨張、便秘や下痢などの症状が長期間続きます。消化不良や胸痛、吐き気などの症状が表れることもあり、不安やうつ病などの精神疾患とも関連性が高いと考えられています。
(画像引用)出典:Cannabis for IBD: Can it help?
IBSは、患者さんの日常生活の負担が大きく、罹患率が高い(世界的には10〜15%)病気として知られています。しかし、検査を行なっても臓器や消化器官に異常が見つからないのが一般的です。そのため、症状に基づいて診断される腸の機能性疾患に分類される病気です。
IBSの病因は、まだよく分かっていません。ストレス等が引き金となり、大腸が過敏になった結果、下痢や便秘などの症状が発生するという説が主流です。また、脳と消化器官をつなぐ神経を制御するセロトニンやガストリンなどの化学物質が関係しているという説もあります。
近年だと、IBSがCED(エンドカンナビノイド欠乏症)や不安症状と関連していることを示唆する研究もあります。
参考
出典:過敏性腸症候群
出典:The Microbiome and Irritable Bowel Syndrome – A Review on the Pathophysiology, Current Research and Future Therapy
出典:Irritable Bowel Syndrome (IBS)
出典:What are Functional Bowel Disorders (FBD)
2. エンドカンナビノイド欠乏症が関連している?
2016年に発表された論文によると、IBSはエンドカンナビノイド欠乏症(CED)が原因である可能性が指摘されています。
CEDとは、2001年に提唱された医学的な理論です。人間には、ECS(エンドカンナビノイドシステム)という体内調整機能が備わっており、その構成物質(エンドカンナビノイド)が不足すると、体調に異常が生じるという概念です。
ECSは、エンドカンナビノイドが結合するための受容体を持っており、CBDやTHCなどの大麻由来の化合物(カンナビノイド)も結合することができます。ECSの受容体に化合物が結合すると、体の調整機能が活性化されます。逆に言うと、受容体に結合する化合物が不足すると、ECSの働きが弱まってしまう可能性があります。
以下が、CEDが関連していると考えられている代表的な疾患です。
- 偏頭痛
- 線維筋痛症
- IBS(過敏性腸症候群)
また、それぞれの疾患に共通していることが3つあります。
- 客観的な異常が見つからないため、主観的(症状に基づいて)に診断される。
- 症状が似ている疾患を除外した後に、診断される。
- 不安やうつ病の発症率が高い。
(画像引用)出典:Clinical Endocannabinoid Deficiency Reconsidered
IBSがエンドカンナビノイド不足によって発症するかどうかは、まだ研究段階のようです。しかし、IBSの患者さんは偏頭痛や線維筋痛症を併発するケースも少なくないことが分かっています。
また、50,000人以上のIBS患者さんを対象にした研究によると、IBSの症状と不安症などの精神疾患は、同じ生物学的なプロセスで引き起こされている可能性が示されました。この研究では、IBSと精神疾患の因果関係までは示されませんでしたが、脳と腸の健康状態が密接に関係している可能性があることが分かりました。
参考出典:Clinical Endocannabinoid Deficiency Reconsidered
出典:内因性カンナビノイド系
出典:Large-scale genetic study reveals new clues for the shared origins of irritable bowel syndrome and mental health disorders
3. 期待されているCBDの効果とは?
IBSの患者さんは、腹痛や腸機能の異常、そして不安等の症状に悩まされることが多いです。CBDには、下記2点の症状を緩和する可能性が期待されています。
- 神経細胞に作用して、IBSの腹痛を改善する可能性
- 不安を改善する可能性
ECSのカンナビノイド受容体は、人間の体のさまざまな部分に存在することが分かっています。
例えば、CB1という受容体は脳や末梢神経に多くみられますが、CB2は消化器系や免疫系にも存在しています。そしてカンナビノイドは、受容体に結合すると痛みの知覚や腸の働きにも影響を与えると考えられています。
(画像引用)出典:What You Need to Know About Using CBD for IBS
2017年に発表された論文では、カンナビノイドが消化管の保護作用を持ち、炎症性の腸疾患やIBSなどの消化系疾患に有効である可能性が示されました。また、大麻の医学的な効果はまだ不明な点が多いながらも、腹痛や下痢などに用いられてきたことにも言及されています。
参考
出典:Cannabis and IBS
出典:Irritable Bowel Syndrome: Manipulating the Endocannabinoid System as First-Line Treatment
出典:What You Need to Know About Using CBD for IBS
4. CBDを使用した研究事例
今のところ、IBSに対してCBDを単体で使用した研究は少ないようです。また、CBDなどのカンナビノイドが消化器官に作用する仕組みを解明するためには、さらなる研究が必要だと言われています。
下記にて、IBSに関連する研究事例をいくつかご紹介します。
4-1. CBDが胃腸の痛みに効果的である可能性
2016年〜2018年にかけて行われた大規模な研究調査によると、CBDが胃腸の痛みや非特定の痛みを軽減する可能性が示唆されました。
この研究では、胃腸や神経、頭痛などの痛みに関して、大麻の効果が調べられました。鎮痛効果は使用する大麻製品によって異なるものの、THC濃度が鎮痛効果と関連していることも分かりました。
▼研究詳細 対象:3,000人 CBDの平均投与量:不明 使用された製剤:不明 治療期間の中央値:不明 実施年:2019年 |
参考
出典:The effectiveness of self-directed medical cannabis treatment for pain
4-2. CBDが胃腸を制御する神経チャネルに作用する可能性
マウスを使用した研究によると、CBDやTHCは消化系疾患に関連している神経チャネル(TRPチャネル)に、ポジティブな影響を及ぼす可能性があることが分かりました。
TRPチャネルとは、遺伝子疾患や消化器疾患、大腸がんなどに関与していると考えられています。この研究では、CBDやTHCVなどのカンナビノイドが、TRPチャネルを活性化することが示唆されました。
▼研究詳細 対象:マウス CBDの平均投与量:不明 使用された製剤:不明 治療期間の中央値:不明 実施年:2011年 |
参考
出典:Cannabinoid actions at TRPV channels: effects on TRPV3 and TRPV4 and their potential relevance to gastrointestinal inflammation
出典:温度感受性TRPチャネル
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