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OFF株式会社のローズです。
OFF株式会社が東京本社に加え、海外支社をアメリカに設立したのには様々な理由があります。一つはここ近年、世界的に再注目されてきている医療大麻の合法先進国であるアメリカで医療大麻がある生活やその産業について学ぶこと。そして、将来日本で大麻栽培が合法化された時に日本国内でCBD原料用にカンナビスを自社栽培できる準備を整えつつ、その過程での学びをOFFのお客様や日本の皆様にお届けするといった目的です。
今回は、そんな世界の古くて新しい医療の最先端トレンド、日本でも大麻取締法改正などで耳にすることも多くなった『医療大麻』についての記事になります。アメリカでどのように医療大麻が合法化され、今現在どういった仕組みで運営され、国民の生活に取り入れられているのかについて解説する記事です。
私は現在、アメリカのオレゴン州に移住して半年ほどになります。以前は、カリフォルニア州に10年以上在住しており、嗜好用大麻が合法化された瞬間も住んでいました。実際に医療大麻が合法化している場所に住んでみた感想や私が医療大麻に興味を持った理由についてもパーソナルな内容ですが書いています。最後まで読んで頂けるととても嬉しいです。
1. 医療大麻とは
今世界が大注目で、急速に研究が進んでいる、医療大麻。日本でも2023年末の大麻取締法改正をきっかけにメディアで目にすることも多くなったワードだと思います。
2024年1月現在、花としての医療大麻(製剤化されていない)が国家レベルで完全合法化されているのはカナダやウルグアイ、オーストラリアにイギリスなどごく一部の国だけです。実はアメリカは連邦法レベルでは大麻は未だ違法です。その他合法化状況に差異はありますが、49ほどの国で医療大麻が徐々に合法化されています。合法化まで踏み切っていないその他の国でも、厳しい規制はありますが、サティベックス(Sativex)*・マリノール(Marisol)*・エピディオレックス(Epidiolex)*などの大麻由来製剤だけは合法的に医療目的で使用できる国もあります。アメリカでも医療大麻の規制は各州間に差異はありますが40州で合法化されていて、今現在の状況としては、連邦法での医療大麻合法化に向けて急速に合法化州が増えています。
2021年の医療大麻合法化状況(緑:YES・黄色:YES/NO・赤:NO)
2021年の大麻由来製剤合法化状況(緑:YES・黄色:YES/NO・赤:NO)
日本も今回の法改正で欧米などで処方されている抗てんかん薬で大麻製剤のエピディオレックス*の医療使用が認可されました。これは、日本における医療大麻合法化の第一歩と捉えられると思います。実は、75年以上も変化がなかった大麻取締法が改正したことはものすごいことなのです。
日本でも漢方薬・民間薬として大麻が医療目的で使用されていた時代もあったのですがあまり知られていません。しかし、近年では医学教育の一部にも取り入れられています。その結果、生薬として活用されてきた大麻の種子・麻子仁はこれまで日本薬局方の局外扱いだったのですが、正式に収載されることとなりました。
医療大麻は、大きく2つに分かれます。一つはいわゆる大麻を原材料とした製剤としての医療大麻です。大麻の特定成分を抽出することで造られます。「カンナビノイド医薬品」「大麻由来製剤」などと呼ばれ、合法的に利用できる地域では、厳格な品質管理基準を満たす必要があり、医師が処方します。
もう一つがハーブ製剤としての医療大麻です。抽出などの加工のプロセスがなく、植物そのものを医薬品として扱うのハーブ製剤の考え方です。主に大麻の花穂を喫煙によって摂取します。西洋医学の「代替補完医療」という位置づけで、嗜好目的での喫煙との線引きが難しいのが特徴です。
以上のように、医療大麻とは、大麻の花穂や大麻植物から抽出された原材料をもとに造られた製剤のことを指す医薬品としての大麻を意味します。
大麻には「カンナビノイド」と呼ばれる化合物が含まれます。主なカンナビノイドにはTHCとCBDがあり、それぞれ異なる薬理効果を持っています。THCは向精神作用があり、うつ症状の緩和・鎮痛や吐き気の緩和などに寄与します。CBDには向精神作用はなく、抗炎症・抗けいれん効果・抗不安作用などがあります。大麻には他にも多くのカンナビノイド、テルペン、フラボノイドなどが含まれ、これらの物質が相乗効果を起こすことで、医療上の効果を発揮します。
2. 医療大麻が有効とされる疾患と症状
医療大麻が有効とされる疾患や症状は、大きく分けると2つあります。1つ目は身体や神経に関連した身体神経疾患。2つ目は精神的な疾患です。
医療大麻は、がん・深刻な痛みや吐き気・神経性難病の多発性硬化症・潰瘍性大腸炎・関節炎・てんかん等の発作・アルツハイマー病等、現代の標準医療での治療が困難なものに幅広く使用されているのですが、ここでは代表的なものを紹介します。
まず、神経系疾患ですと、てんかん・りゅうまち・クローン病・多発性硬化症(MS)・神経痛・ALS(筋萎縮生側索硬化症)・パーキンソン病などが挙げられます。
次に、疼痛疾患ですと、慢性疼痛・関節炎・線維筋痛症・神経痛・偏頭痛・がん関連慢性疼痛などに有効とされ、大麻の成分が神経系に影響を及ぼし、慢性疼痛を軽減する可能性があります。
まだまだ研究段階ですが、一部の研究では医療大麻の成分ががん細胞の成長を抑制する可能性が示唆されていて、大麻成分ががん細胞にアポトーシス(細胞死)を誘導することが報告されています。また、抗がん剤治療による食欲減退や慢性の痛みにも有効的とされています。
更に、大麻薬効成分にも新型コロナウイルスのスパイクタンパク質にからみついて体細胞への侵入を阻止する作用がある、という研究報告があります。オレゴン州立大とオレゴン健康科学大学の共同研究で明らかになり、オンラインに成果が公開されました。
詳細はこちらの論文:Cannabinoids Block Cellular Entry of SARS-CoV-2 and the Emerging Variants(カンナビノイドがSARS-CoV-2と新種の変異株の細胞侵入を阻害する)をご覧ください。
そして、精神疾患では、うつ病・不安症状・PTSDなどの症状の緩和に関する臨床研究が進められています。
パンデミック中はいつもの日常に制限がかかり、精神的につらい日々を過ごした方も多いかと思います。大麻はこのパンデミック禍に大活躍でした。例えば、アメリカ・カリフォルニアではパンデミックの最中のエッセンシャルビジネスとして、大麻専ディスペンサリー(販売店)はオープンしていました。
Portlandでローズお気に入りディスペンサリー
📍Home Grown Apothecary
パンデミックの最中、私はカリフォルニア州オレンジカウンティーに在住していました。カリフォルニアは1996年に全米で初めて医療用大麻を合法化しています。大麻はパンデミックの最中、普段よりもストレスを感じてしまっている人々を救っていた記憶が強烈に残っております。「何もやることないから大麻吸ってたんでしょ」と思う方もいらっしゃるかもしれないですが、普段は吸わなくても大麻の精神作用を知っている人は「こんな時こそ大麻でリラックスだな。」とディスペンサリーで大麻を購入していました。
最後に、大麻には食欲刺激作用があり、神経性食欲不振症候群(NACS)や拒食症にも有効です。食事を楽しむことは人間の根本的な至福です。食事を美味しいと思える身体作りがとても重要だと私自身は捉えているので、この効果については私自身も注目しております。
3. 医療大麻が人間の体に作用する仕組み
ここで、医療大麻が人体に存在するエンドカンナビノイドシステムにどのように作用するのか簡単に解説したいと思います。
人間の身体には、エンドカンナビノイドシステム(以下:ECS)が存在し、神経・免疫・消化・睡眠・気分などの機能を調整しています。ECSは体内のバランスを維持し、異常な状態に対して調整を行い正常なバランスに戻してくれます。
Endocannabinoid System(エンドカンナビノイドシステム)
大麻にはカンナビノイドと呼ばれる化合物が含まれており、これがECSの受容体と結合します。カンナビノイドがECSに作用することで、体内の調整機能が活性化され、様々な生理学的な影響が引き起こされます。
カンナビノイドがECSに作用することで、痛みの緩和・炎症の抑制・神経細胞の保護・食欲刺激・精神的なリラックス効果などが期待されます。この作用が、特に慢性疾患や神経系の問題に対して大麻が有益である理由の一つです。
シンプルに言えば、大麻の成分であるカンナビノイドが鍵となり、鍵穴とも捉えられるECSの受容体と結合し、バランスを整える生理学的な効果を引き起こすことが、大麻が人体に有益である主な理由です。
実は人間の身体にも、カンナビノイドに良く似たエンドカンナビノイドを体内で生成する機能が備わっているのですが、ストレス・加齢・生活習慣などによって自動生成されなくなりエンドカンナビノイド不足に陥っている現代人が多いと近年研究で明らかになりました。
ちなみにエンドカンナビノイド不足によって引き起こされるとされる症状についてはまだまだ研究段階ですが、慢性疼痛・不安症・うつ症状・不眠症・食欲不振などが主に挙げられます。
4. アメリカの医療大麻の歴史
この章ではアメリカと医療大麻の歴史について簡単に解説していきます。大麻は医薬品として、1850年に米国薬局方に登録されていました。19世紀後半には薬局や食料品店でさえ広く入手でき、価格も他の薬に比べて手頃で、医師の処方箋も必要ありませんでした。
19世紀末までに、用量制御の難しさ、合成麻薬やアヘン由来の麻薬の人気の高まりなど、多くの要因で医療における大麻の使用は減少しました。娯楽目的での大麻使用に対して世論が懸念し始めると、各州は大麻の販売と所持を制限する法律を可決し、大麻が流通商品としては姿を消しました。1936年までにすべての州がこの法律を可決しました。
1937年のマリファナ税法の可決により、医療としての大麻の使用はさらに減少しました。この法の目的は、米国における医療以外の大麻の使用をすべて禁止することでした。しかし、大麻を処方する医師にも多大な税金を課したため、医療での大麻使用も大幅に減少したのです。アメリカ医師会は1937年のマリファナ税法に反対したが、無駄でした。大麻は、有名な反大麻運動家ハリー・アンスリンガーの勧めにより、1941年に米国薬局法から削除されました。
1960年代、自然派志向のナチュラリストなどが娯楽目的で大麻をアンダーグラウンドで使用し始めると、さまざまな疾患に対する大麻の有効性に関するエピソードがシェアされ、一部の人によって大麻の医療的有用性が再発見されました。
ローズが2023年に育てた大麻プラントベイビーレモンちゃん
しかし、1970 年の規制物質法の可決により、医療用途であっても大麻は正式に禁止されました。連邦政府による厳格な禁止にもかかわらず、1970年代と1980年代には、特に化学療法や消耗症候群の影響が大幅に軽減されたと報告した癌患者やエイズ患者の証言により、大麻は医薬品として新たな関心を集め続けました。
娯楽目的で大麻を使用する人たちによって普及した喫煙方法は、経口薬を飲み続けるのが難しい患者に特に助けとなり、また、作用の発現が早く、用量をより慎重に制御できるという利点ももたらしました。
医療大麻支持者は、カリフォルニア州における一連の立法上の成果により、1990 年代初頭に勢力を拡大し始めました。
カリフォルニア州の医療大麻支持者たちは、医療大麻法案に対する連続した拒否権に嫌気が差し、この問題を有権者に直接訴え、1996年に州全体の投票イニシアティブの資格を得るために775,000人の署名を集めました。その後、投票率56%で承認され、がん・食欲不振・エイズ・慢性疼痛・痙縮・関節炎・片頭痛などの治療のため大麻の使用・所持・栽培が合法化されました。
1998年、ワシントン州、オレゴン州、アラスカ州、ネバダ州で医療用大麻への取り組みが州民投票で可決され、合法化しました。
2024年1月現在、連邦法では未だに違法な大麻ですが、各州合法状況に差異はありながら、40州で医療大麻は合法化され、24州で嗜好用大麻も合法化されている状況です。ちなみに私が住むオレゴン州は、アメリカで一番最初 (1973年)に大麻を非犯罪化した州で、1998年に医療大麻を合法化し、2014年に嗜好用大麻を合法化しました。
5. アメリカの医療大麻のルール
アメリカで州レベルで急速に合法化されている医療大麻ですが、連邦法では未だに違法です。大麻は物質規制法(Control Substance Act 以下CSA)でスケジュールⅠ(最も危険な薬物)に分類される麻薬として50年以上も連邦法によって規制されています。しかし、今まさにそのスケジュールが見直そうとされており、アメリカの大麻規制の動きは世界の大麻業界から注目されています。しかし、州ごとに医師が医療大麻を処方できる疾患や症状が異なっていたり、一度に処方できるTHC量が違ったりとまだまだ課題が多いのが現状です。
医療大麻を使用するには特定の疾患や症状を有している必要があります。医療大麻のライセンスを取得する費用は州ごとに異なりますが、$1〜$300で医療大麻カードを取得することができます。ディスペンサリーという大麻を専門的に販売する店舗で購入することができます。例えば、オレゴン州では医療大麻カードを持っていると大麻税として課されている20%の税が免除されます。
医療目的での大麻の使用を認めている州では、個人が適格な病状でない限り、大麻の入手を制限しています。患者はまずプライマリーケア提供者から、IDカードの形で承認を得る必要がある。大麻は連邦法で規制薬物であるため、医師やナース・プラクティショナーは大麻を処方することはできません。いったん認可されれば、患者はディスペンサリーかケアギバーを通じて大麻を入手することができます。ディスペンサリーとは、さまざまな制限のもとで大麻の販売を許可されている民間企業を指します。ケアギバーは、大麻を栽培し、許可された人々に提供する免許を持つ個人のことです。
大麻の家庭栽培は未来のプラントメディスンプラクティス
州レベルでは合法化していますが、依然として連邦では大麻はスケジュールⅠの規制薬物です。看護師やプラクティショナーは、連邦政府によって違法とされている物質を患者に勧めることの倫理的意味を考慮しなければなりません。薬効があるようにみえますが、使用量や用途を間違えれば有害な副作用もあります。代表的な副作用は、血圧低下・短期記憶喪失・うつ症状などです。
大麻に依存してしまう人も少なからず存在します。他の依存性物質と同様、使用を止めると精神的や身体的に禁断症状が現れることもあります。例えば、イライラする・眠れない・落ち着かない・ほてり・吐き気、けいれん(これはまれである)を潜在的な離脱症状として挙げています。しかし、これらはアルコールやアヘンの禁断症状に比べれば、極めて軽度であり、通常数日間しか続かないことに留意すべきです。
各州、法律が変わるスピードが速いため、看護師やプラクティショナーには、こうした変化に対応するための勤勉さと一貫した注意が求められています。ホリスティックなケアに取り組む医療専門家として、看護師やプラクティショナーは、大麻に関する最新の研究や、大麻が患者の治療にどのように使われているかを知っておく必要があります。大麻使用の長所と短所について患者と話すことができ、大麻を取り巻く州法の知識が求められるでしょう。
6. アメリカの医療大麻栽培のルール
大麻栽培のルールも各州で異なります。基本的に以下の2つの栽培方法が存在します。
1つ目は、医療大麻患者自身かケアギバーが大麻を個人的に家庭栽培し、医療目的で使用する場合です。アメリカでは、2024年1月現在40州で医療大麻は合法化していますが、家庭栽培やケアギバーが患者の為に栽培することはわずか14州でしか合法化していない状況です。
医療大麻栽培に関しては、州間でいくつかの共通テーマがあります。ほとんどの州では、栽培できる大麻の株数は2、3本の成熟したプラントに制限されています(しかし、未成熟な植物はもっと許可されている)。ほぼすべての州で、大麻を人目につかないように栽培することを義務付ける法律があります。
このルールには2つの目的があります。大麻プラントを子供やペットの手の届かないようにすることと、大麻の盗難を防ぐためです。これらの法律に違反すると、たとえ家庭での大麻栽培が認められている州であっても、法的措置がとられる可能性があります。これは特に、人目につく場所に植える場合に当てはまります。もし人々が大麻を外から見ることができれば、通報することができるルールなのです。大麻の家庭栽培が合法な州でも、自宅で大麻を栽培する際は、常に慎重を期し、大麻植物を保護することが大切です。
大麻を家庭栽培することは、特に医療患者にとって多くの利点があります。大麻の栽培は、特に屋内栽培の場合、面倒な作業になることがありますが、しかし多くの大麻消費者にとって、その労力をはるかに上回る利点があります。
自分で大麻を栽培する最大の利点は、コストの節約です。最初のセットアップのために多少の手間とコストはありますが、それが完了したら、ほとんどの合法的なディスペンサリーで見られる大麻フラワーよりもはるかに低いコストで大麻を得ることができます。節約できる正確な金額は、州の制限と大麻プラントの最終収量に大きく関係しますが、栽培の経験を積むほどに節約量も増えるはずです。
家庭栽培はまた、自分に最も適した大麻の品種を育て、効果の保証を得るためにも便利です。ディスペンサリーは定期的に品種の入れ替えを行うので、自分の症状にとてもよく効いた特定の品種が、数ヶ月間入手できないということになりかねません。これは、ディスペンサリーが非常に少ない州では特に大きな問題です。しかし、自分で大麻を栽培すれば、自分に最適な品種を常に入手することができるのです。
大麻の苗、この状態から家庭栽培で育てる人も多いです
2023年の大麻栽培体験の様子
そして2つ目は、医療大麻カードの取得の有無に関わらず、ディスペンサリーで大麻を購入する方法で、こちらの選択肢の場合は、商業用に大麻を栽培している農家からディスペンサリーが卸価格で購入して、患者/ 大麻消費者が購入するといったシステムになります。
商業用大麻の栽培に関しては、各州で厳格なライセンス制度や栽培ルールがあります。更に、日本へ輸入されているCBD原料は主にヘンプ(THC濃度が0.3%以下)から抽出されていて、THC濃度が0.3%以上のものをカンナビスと呼んでいます。ヘンプ栽培とカンナビス栽培の間にも大きな規制の違いがあります。
例えば私が住んでいるオレゴン州では、ヘンプの栽培ルールはOregon Department of Agriculture(ODA;オレゴン農務省)が管轄していて、カンナビスはOregon Liqure and Cannabis Commision(OLCC:オレゴン酒・大麻委員会)の管轄になります。
参考までに、オレゴン州のヘンプ栽培に関する主なルールは以下の通りです。
- 許可取得: ヘンプを栽培するには、オレゴン農務省からのライセンスが必要
- THC制限: ヘンプのTHC濃度は、法的に0.3%以下である必要がある
- 栽培場所の制限:ヘンプの栽培場所には一定の制限があり、特定の公共の場からの距離や他の農産物との隔離などが規定されている
- 定期的な検査:ヘンプの栽培者は、収穫前に定期的な検査を受け、THC濃度が基準を満たしていることを確認する必要がある
- 報告義務:ヘンプ栽培者は、栽培に関する情報をODAに提出する報告義務がある
オレゴン州でのカンナビスの栽培に関する主なルールは以下の通りです。
- 許可取得:カンナビスを栽培するには、OLCCからのライセンスが必要
- THC制限:大麻植物のTHC濃度は、法的に一定の基準内に収める必要がある
- 栽培場所の制限:カンナビスの栽培場所には制限があり、特定の公共の場からの距離や他の施設との隔離が求められる
- トレーサビリティ:カンナビス製品はトレーサビリティシステムを使用して追跡され、生産から販売までの全プロセスが透明になるように規定されている
- 報告と規制遵守:カンナビスの栽培者は、定期的な報告と規制順守が求められる
- 年齢制限:カンナビス製品の販売や提供には、21歳以上の年齢要件がある
7. 医療大麻に関する私見
さて、最後に私がなぜ医療大麻に興味を持ち始め、OFFで大麻についての事業に関わっているのかを簡単にお話ししたいと思います。
私は2008年にラスベガスで留学し、2010年から2021年まで南カリフォルニアを中心に活動していました。カリフォルニアは全米で最初に医療大麻を合法化したことで有名ですが、ちょうど私がLA近郊に住んでいた2016年に嗜好用大麻が合法化されました。
2016年前後から私の生活にも大麻が自然と現れ始め(当時は自宅ネイルサロンを自営しており、フリーランスのネイリスト)不思議なことにバッテンダーや大麻愛好家のお客様が多く、チップやギフトとして大麻製品をお客様から頂くことがなぜか増えていったのです。
2018年から2019年頃、単純な健康・生活向上心の興味からヴィーガンダイエットを続けていたところ、人生で初めてのうつ症状ややる気の無い時期を体験していて、その頃にCBDに出会いました。ヴィーガンで体が普段よりも敏感だったこともあり、CBD摂取後全身に血流が巡り身体が軽くなり、脳内に血流が巡った体験を今でも覚えています。CBDがそれだけ私に必要だったのでしょう。(当時はTHCが多く含まれる大麻使用を毎日していました。)大麻の用法・容量を間違うとうつ症状になったり副作用があるので、おそらく自分に合わない食事制限とTHCの過剰摂取で、うつ症状を引き起こしていたのではないかと自己判断しております。
その後は、2013年あたりから初めていた、ヨガのプラクティスとCBDや大麻を組み合わせた、自分なりのセルフメディケーションとセルフケアルーティンを徐々に構築し、自分のライフスタイルに合った形で大麻を取り込んできました。
2019年末、幼い頃から親友のように仲の良い母が『関節リュウマチ』の診断を受けました。当時、私はリュウマチがどんな病気なのか見当がつかず、母が死んでしまうのかもしれないと、一瞬悲しくなりました。私はあまりショックを受けないタイプですが、めちゃくちゃ健康的でエネルギッシュな母なので、人生一ショックなできごとでした。
母・ローズ・父・2022 春
リュウマチについて、西洋医学的に調べると原因不明で完治はしないし、治療法も無く、不治の病だと知りました。西洋医学における治療薬はあっても、症状を表面的に和らげ、進行の速度を遅延させ、根本治療にはならないとすぐに悟りました。母と2人で色々と話し合い、代替医・ホリスティック・ハーボロジーなどをセルフケアとして取り入れて経過を見ていこうと決めました。クリーンでナチュラルな食事療法と生活習慣の改善でリュウマチの症状の進行がどうなるのか観察したかったのです。
ところが、リュウマチについて更に調べていると、なんと大麻がリュウマチ症状の軽減や進行の遅延に有効的であることを知りました。その瞬間に、日本の大麻事情が全くわからない自分に気が付き、自分なりに調べてみました。
私が住んでいるカリフォルニアでは、大麻は嗜好用まで合法化されていて、もし母がアメリカにいたら今すぐにでも大麻を使用してもらうのに、他に方法はないのかと探していると、CBDの情報が目に止まりました。日本でもCBDは合法的に使用できると知り、アメリカのCBDプロダクトをたんまり日本の母の元へ送ったのですが、CBD業者の皆さんはご存知かと思いますが、当然、麻薬取締局から突き返される結果となりました。(個人的な輸入でも、CoAと呼ばれる成分分析書や抽出工程の写真や書類の同封が必要なのです。)
日本でのリュウマチ患者数は80万人以上で、その8割が女性です。リュウマチは関節の変形が始まるまでは、周りの人には気付かれにくい病気です。自分の母のように水面下で痛みと闘っていたり、症状が軽減することのない医薬品の副作用で苦しんでいる人がこんなにもたくさんいるのかと知り、日本で生活するリュウマチ患者さんに医療大麻を1日でも早く届けるには何ができるんだろうと1年程試行錯誤していました。そんな時にOFF株式会社と出会い、OFFへの参画を決意しました。そして、私は今アメリカ・オレゴン州に移住し、日々大麻の知識を身につけているところです。
医療大麻の使用方法は人それぞれですが、私は予防医療とセルフメディケーションの一環として生活に取り込んでいます。西洋医学の薬は、母があまり使わない主義だったので、私も漢方や食事で自分の体調管理をするようになりました。
もちろん、嗜好目的での大麻使用も私のライフスタイルの一部です。体質的にアルコールの摂取が身体に合わないのですが(アルコールの生薬としての摂取は体調によって選択することもあります。)大麻成分と私の身体の相性は抜群のようです。
いつも、ローズの記事を最後まで読んで頂いて本当にありがとうございます!もし、私の記事を読んで疑問・質問がある方は、是非InstagramかXでDMしてください。時差はありますが、返信致します。1日でも早く医療大麻が日本で日の目を見る日が訪れることを願って、私はオレゴンで自分のウェルネスと向き合っていきたいと思います。
🌎Love you all, let’s free all the plant medicine all over the world 🌏
8. 参考
*サティベックス(Sativex): サティベックスは、大麻から得られる複数のカンナビノイドを含む医薬品で、主に多発性硬化症のスパスミック性痛や抗がん治療に伴う吐き気・嘔吐の緩和に用いられる。口腔内スプレーとして投与され、THCとCBDの組み合わせが特徴。
*マリノール(Marisol): マリノールは、大麻由来の薬効成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含む製剤で、主に悪性腫瘍治療や化学療法に伴う吐き気・嘔吐の緩和に利用される。
*エピディオレックス(Epidiolex): エピディオレックスは、大麻由来の成分であるカンナビジオール(CBD)を含む医薬品。神経学的な疾患やドラべ症候群、難事小児てんかんの治療に使用されている。
*抗てんかん薬、大麻製剤・エピディオレックスの医療使用が認可 :
・A Guide to Medical Marijuana Legalization Around the World
・Where marijuana is legal in the United States
・https://www.fool.com/investing/2018/07/21/these-30-countries-have-legalized-medical-marijuan.aspx
・These 30 Countries Have Legalized Medical Marijuana in Some Capacity
・Cannabinoids in cancer treatment: Therapeutic potential and legislation
・A brief history of medical cannabis in the USA
・A history of medical cannabis in America
・Medical cannabis in the United States
・State variation Medical Cannabis
・Medical Marijuana Map
・Cannabis Homegrown 101
・Global Cannabis Compliance Blog
・日本てんかん協会
・「大麻の医療利用」が世界中で加速する納得理由
・日本人のための大麻の教科書 「古くて新しい農作物」の再発見
9. tokyo mooon CBD商品のご紹介
tokyo mooonでは、大麻が一般的な植物と同等に扱われる「大麻のノーマライゼーション」を目指し、各種CBD商品を展開致しております!
主な商品としては、
・CBDべイプ
・CBDオイル
・CBDウォーター
・CBDグミ
がございます。
カンナビノイドの原料屋さんとして、原料へのこだわりは勿論、海外の研究事例などを参考に開発した商品などを取り揃えております。
また、ものづくりにもこだわっており、海外の研究事例を参考に味や体感などの嗜好性を探究しています。是非この機会にお買い求め下さい!
また、Amazon購買ページもございますのでそちらもご覧ください。
10. tokyo mooon 高品質CBD原料とOEMのご紹介
tokyo mooonは、CBD製品のOEMや原料卸を行っています。
取り扱い原料の特徴は、以下7つです。
①合法性と安全性
②製造工程における各種認証
③大手企業との取引実績
④納得のいくフレーバーや体感の追求
⑤選べる多様なカンナビノイド
⑥市場理解と商品企画の支援
⑦小ロット・短納期
CBD製品のOEM製造や原料に興味がある方は、お気軽にご相談ください。