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【2023年版】アメリカの大麻のすべて

アメリカ・オレゴン州の大麻ファームから、こんにちは。

OFF Inc.という東京の目黒を拠点とする大麻の会社の代表を務めるヨーダです。

今回は産業と文化の観点でアメリカの大麻事情について紹介します。

本記事は2023年に執筆を開始し、常に情報の鮮度を保ってお伝えできるよう努めています。


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1. 大麻と産業

さて、まずは産業の観点でアメリカの大麻シーンを説明します。

1-1. アメリカで大麻は合法?

日本の大麻シーンというとアンダーグラウンドなマーケットを想像しますが、ここアメリカは日本と事情が違います。

ご存じの方も増えてきたかとは思いますが、アメリカでは大麻は一部の州で合法な農作物です。

アメリカという国は連邦政府と州政府によって統治されており、日本の県のような行政単位の州が強い権利を持っています。

実は現状、連邦政府は大麻を合法化していません。一部の州のみ独自に大麻を合法化しています。

ここでは、合法なアメリカの大麻シーンについて説明していきます。

1-2. 医療用大麻と嗜好用大麻の区別

合法なアメリカの大麻マーケットは医療用大麻と嗜好用大麻の2つに大きく分けられます。

2023年8月時点で医療用大麻は40州とコロンビア特別区、嗜好用大麻は23州とワシントンDCにて合法化されています。

医療用大麻がまだ違法な州を詳しくみてみます。

アイダホ、インディアナ、カンザス、ネブラスカ、ノースカロライナ、サウスカロライナ、テネシー、テキサス、ウィスコンシン、ワイオミングの10州です。

ワイオミング州はアメリカで最も人口が少なく人口58万人。医療用大麻をアメリカで初めて解禁したカリフォルニア州の人口は3954万人。

大麻が合法な州の数で見ても、大麻に合法的にアクセスできる人口数で見ても、アメリカという日本とも国際関係上重要な国で大麻は徐々に社会浸透しつつあります。

1-3. 巨大な大麻産業

次に気になるのは大麻産業の市場の大きさでしょうか。

2021年のアメリカの大麻産業全体の市場規模は108億ドルでした。

グローバルの大麻マーケットにおける北米のシェアは96.8%と極めて高く、マーケットの成長を牽引している状況です。

大麻の市場規模に関して語るとき、ブラックマーケットの市場規模のサイズ感を知っておくことは大麻産業のポテンシャルを試算する上で極めて重要です。

2021年のForbesのこちらの記事によると、アメリカの大麻の違法市場の規模は約100億ドル。

2021年の合法市場は108億ドルですから、合法市場と同じサイズの市場がまだ違法市場には存在することになります。

現代のアメリカ人にとって大麻はエッセンシャルな存在でもあるのです。 

1-4. 大麻による税収と雇用の創出

これだけ巨大な市場ですから、税収も大きく、各州政府のウェルビーイングの拡大に貢献しています。

MPP(マリファナポリシープロジェクト) (*1)によると、アメリカの2022年の大麻税は約38億ドル、2014年から2022年の終わりまでの累計の税収は150億ドルを超えたとのことです。

マサチューセッツ州やイリノイ州では2021年に大麻税が酒税を超えたと大きなニュースになりました。

2022年度の州別の税収金額は以下の通りです。

このような巨大市場を支えている大麻産業を雇用の側面でみてみましょう。

2022年の雇用数は40万人を超えました。 

1-5. 大麻の消費実態

これだけ大きなアメリカの大麻マーケットですが、一体どれくらいの人が大麻を使用したことがあり、現在使用しているのでしょうか。

2022年のシンクタンクの調査によると、大麻を生涯に経験したことのあるアメリカ人は全国民の48%、現在使用している人は16%とのことです。

ちなみに日本人の大麻の生涯経験率は2017年の調査では1.7%で、アメリカと大きな差異があります。

また、アメリカでタバコを現在使用している人は11%とのことです。

アメリカでは大麻を使用する人の方がタバコよりも多いのです。

 

2. 大麻と歴史

ここまでで見てきたデータで分かるようにアメリカ人にとっての大麻と日本人にとっての大麻は全く別物です。

以下はアメリカ人の大麻合法化の賛成率の経年推移のグラフです。

近年大麻をポジティブに認識するアメリカ人が年々増えていることが読み取れます。

2019年のデータではアメリカ成人の2/3が大麻を合法化すべきだと考えています。

大麻 = 悪という日本では一般的な図式がここアメリカでは明らかに成立していません。

「アメリカには一体どのような歴史があって、大麻に関する認識が変化してきたのか?」についてについて各年代のターニングポイントに触れながら簡単に説明します。

2-1. 大麻 = 悪の起源(1900-1920年代)

大麻がまだ規制されていない時代から話をスタートします。1900年〜1910年代。
この頃のアメリカには食品や医薬品に関する規制がまだありません。
アメリカやイギリスの薬局ではヘロインの入ったブリキ缶が売られていたりした時代です。
あまりにも自由だったので、1914年にハリソン麻薬税法(*2)が成立し、コカやアヘンが規制、課税され始めました。
国際的なドラッグの規制もはじまり、1925年の第二次アヘン条約(*3)によって、大麻は初めて規制対象になります。
大麻 = 悪の歴史はここから始まります。
 

2-2. 大麻で逮捕のはじまり(1930年代)

1929年に大恐慌が起き、当時のアメリカは不景気でした。

そんな中、アメリカに増えたメキシコ人労働者がアメリカ人の雇用の機会を奪っているというプロパガンダが形成されはじめます。

これがきっかけで、マイノリティのメキシコ人がよく使用していた大麻に対しても、プロパガンダが形成されることになります。

このような時代の空気の中で、アスリンガーさんという方が登場します。

フルネームはハリー・J・アスリンガー。麻薬局 (DEA(*4)の前身)のトップだった方です。

さきのハリソン麻薬税法によって大麻は規制されていたものの、罰則のみで、各州の警察が逮捕するようなことはありませんでした。

それを変えたのがアスリンガーさんです。

彼によって統一州麻薬法令(*5)が1934年に制定され、警察が大麻で人を逮捕できることになったのです。大麻 = 悪の図式は加速します。

2-3. カウンターカルチャーとしての大麻(1940-1960年代)

40年代は第二次世界大戦中の物資としてヘンプ栽培が奨励された特異な時代が一瞬ありました。

50年代〜60年代には、文学や音楽の一部のコミュニティでアンダーグラウンドで文化として嗜まれていました。

この流れがベトナム戦争の反戦運動をリードしたヒッピーに受け継がれます。

ヒッピーたちは大麻をカウンターカルチャーのシンボルとして愛用しました。

ヒッピームーブメントとしては1967年に起きたSummer of Love(サマー・オブ・ラブ) (*8)が有名です。

アングラではありますが、大麻の消費は確実に増えていきました。

2-4. 非犯罪化の波(1970-1980年代)

1969年に大統領に就任した*リチャード・ニクソン(*6)さんは1971年に「アメリカ最大の公敵は麻薬だ」という有名な演説をし、規制物質法を制定しました。

ニクソンさんは1973年に*DEA(麻薬取締局)を設立した大統領でもあります。

彼によって、大麻はヘロインなどの他のドラッグと同じ整理で、連邦政府により取り締まりの対象になりました。

取り締まりを強化していった結果、1965年に1.9万人ほどだった逮捕者数は1973年には41.6万にまで激増しました。

これだけの逮捕者が出たわけですが、個人レベルで大麻合法化に賛成な人は増え続けています。

そんな矢先、1973年にオレゴン州で大麻を非犯罪化(*7)する法律が制定されます。

オレゴンは全米で初めて個人の大麻栽培、所持、吸引を犯罪とみなさないという決定をしたのです。

オレゴンの後には、メイン、コロラド、カリフォルニア、オハイオが続きました。

1974年には世界で最も有名な大麻メディアのハイタイムズ(*9)が創刊されます。

1970年代は、初のグリーンラッシュ(*10)だったのです。

70年代後半は80年代には大麻は合法化されるだろうという国民のムードでした。

皆さんご存知のように、80年代に大麻は解禁されません。

なぜかというと、70年代後半から子供をもつ親たちによるアンチドラッグキャンペーンが展開されたからです。

また、カーター大統領のドラッグアドバイザーがNORML(*11)主催のパーティーでコカインを使用したというスキャンダルが起きました。

その結果、大麻を自由化していく方向から一変し、世論は保守化していきました。

2-5. 医療大麻の解禁(1990年代)

80年代のアメリカではエイズが猛威を振るっていました。

1984年にエイズの原因がHIVというウイルスだということが判明します。

エイズ治療薬の副作用に大麻が効くということで、大麻の医療効果に注目が集まり始めます。

ゲイの権利拡大のアクティビストだったデニスペロンさんは、この流れに乗り大麻解禁運動をはじめます。

法律の改正案を仲間と作り、署名を募り、規制当局の取り締まりを徐々に抑えていきました。

彼が運営していたカナビスバイヤーズクラブはアメリカで公然と営業する初のディスペンサリー(大麻薬局)として有名です。

1996年、歴史的快挙が起こります。カリフォルニア州でプロップ215条・同情的使用条例が賛成多数で可決されます。

こうしてカリフォルニア州で医療用大麻が解禁され、アラスカ、オレゴン、ワシントン、メインも続きました。

2-6. 大麻の社会浸透(2000年代〜)

2008年に大統領に就任したオバマさんは選挙立候補時、大麻の使用経験をカミングアウトしました。

それでも当選したわけです。大麻に関する世論はポジティブなベクトルを向いていました。

このオバマ政権で司法省を務めたジェームス・コール副長官という方がいます。

彼が書いた文書、コール・メモが大麻の規制緩和に一役買います。

各州の住民投票で、少量の大麻の栽培、流通、販売、所持を認めた場合、州政府に取り締まりを委ねるという内容でした。

そして、2022年には、バイデン大統領が大麻の単純所持で連邦犯罪で前科のある数千人を恩赦すると発表しました。

気づけば、今ではアメリカ50州のうち40州が医療大麻を解禁しています。

 

3. 大麻と観光

大麻についてもっと学びたい、体験したいという方向けに、大麻文脈でアメリカを訪れる場合のおすすめロケーションを最後にシェアしたいと思います。

3-1. カリフォルニア州

まずはカリフォルニア州から。カリフォルニアにはサンフランシスコやロサンゼルスなどの有名都市がある州として有名です。

サンフランシスコはビジネスで、ロサンゼルスはエンタメで訪れた方も多いのではないでしょうか。

カリフォルニアはとにかく大きいです。カリフォルニアに日本がすっぽりハマってしまうくらいに大きいです。

また、人口も約4,000万人と全米で最も多いです。

出張、駐在、留学、観光と色々な目的で日本人も訪れることの多い州かと思います。

こんなカリフォルニアでは医療用、嗜好用ともに大麻は合法です。

1996年に医療用大麻、2016年に嗜好用大麻の合法化が承認されました。

カリフォルニア州の大麻のマーケットサイズは全米で最も大きいです。

カリフォルニア州には合法なディスペンサリー(大麻専門販売店)がたくさんあります。

アメリカ人でなくとも入り口でパスポートを見せ、21歳以上の成人であれば、商品を購入可能です。

カリフォルニア州の大麻に関する細かなルールはこちらの記事をご覧ください。

3-2. コロラド州

次はコロラド州です。コロラド州は標高が高く、州都のデンバーはマイルハイシティと呼ばれたりします。

アメリカ西部に位置し、西海岸からはフライトで2時間30分ほどの距離です。

巨大な山々に囲まれた州で、ウィンタースポーツが盛んです。アメリカ最大の温泉もあります。

長期休暇に自然を堪能するために訪れる人が多い州です。

こんなコロラド州では医療用、嗜好用ともに大麻は合法です。

2000年に医療用大麻、2012年の11月に嗜好用大麻の合法化が承認されました。

嗜好用大麻の解禁は全米で初めてです。

コロラド州では、スターバックスとマクドナルドの店舗を合わせた数よりもディスペンサリーの方が多いと言われています。

アメリカ人でなくとも入り口でパスポートを見せ、21歳以上の成人であれば、商品を購入可能です。

コロラド州の大麻に関する細かなルールはこちらの記事をご覧ください。

3-3. ニューヨーク州

自由の女神やブロードウェイで有名なニューヨークも大麻は合法です。

2014年に医療用大麻、2021年に嗜好用大麻の合法化が承認されました。

出張、駐在、留学、観光と色々な目的で日本人も訪れることの多い州かと思います。

Center for Advancing Healthのデータによると、大麻の年間消費量が最も多い都市はニューヨークとのことです。

ニューヨーク州にも合法なディスペンサリー(大麻専門販売店)がたくさんあります。

アメリカ人でなくとも入り口でパスポートを見せ、21歳以上の成人であれば、商品を購入可能です。

ニューヨーク州の大麻に関する細かなルールはこちらの記事をご覧ください。

3-4. ネバダ州

ネバダ州はラスベガスで有名な州です。

ラスベガスといえばカジノ。観光客がアメリカ内外から多いエリアです。

観光客が多いことから、一人当たりの大麻の売上では全米トップです。

出張、駐在、留学、観光と色々な目的で日本人も訪れることの多い州かと思います。

ネバダ州にも合法なディスペンサリー(大麻専門販売店)がたくさんあります。

中でも世界最大のディスペンサリーとして有名なPlanet 13はおすすめです。

通常のディスペンサリーの100倍くらいありそうな規模のディスペンサリーで、とにかくたくさんの種類の商品を取り扱っています。

アメリカ人でなくとも入り口でパスポートを見せ、21歳以上の成人であれば、商品を購入可能です。

ネバダ州の大麻に関する細かなルールはこちらの記事をご覧ください。

3-5. オレゴン州

最後はオレゴン州です。

日本人にはあまり馴染みのない州かもしれませんが、アメリカではリベラルな州として有名です。

医療用のマジックマッシュルームを全米ではじめて解禁したり、消費税がなかったり、安楽死も認められていたりと日本の常識とは離れた価値観やルールが浸透している都市です。

オレゴン州では医療用、嗜好用ともに大麻は合法です。

1998年に医療用大麻、2014年に嗜好用大麻の合法化が承認されました。

1973年にアメリカではじめて大麻を非犯罪化したことでも知られています。

オレゴン州にも合法なディスペンサリー(大麻専門販売店)がたくさんあります。

アメリカ人でなくとも入り口でパスポートを見せ、21歳以上の成人であれば、商品を購入可能です。

オレゴン州の大麻に関する細かなルールはこちらの記事をご覧ください。

 

4. おすすめ観光スポット

最後に手前味噌ではありますが、自社の大麻観光事業について紹介させてください。

tokyo mooonを運営するOFF株式会社は2023年7月にアメリカ法人のOFF US Inc.を立ち上げ、大麻観光事業をスタートしました。

オレゴン州の大麻農園内にて、大麻フレンドリーな宿泊事業を運営しております。

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5. 注釈

(*1) MPP(マリファナポリシープロジェクト)

MPPは、1995年に立ち上がった大麻合法化を目指すアメリカの団体の1つ。

これまでに15の医療用大麻取締法を成立させ、23の合法化州のうち13州でキャンペーンや立法活動を展開してきた。

(*2) ハリソン麻薬税法

英語ではHarrison Narcotics Tax Act。

1914年にアヘン、モルヒネ、コカイン等の麻薬をアメリカで初めて禁止した法律。

当時、大麻は依存性のなさから、規制対象から除外されていた。

法学者の園田先生によると、ハリソン法は薬物の「医学的使用の規制」と「非医学的使用の犯罪化」を目指した法律。

制定当時から連邦政府と州政府による二重統治体制だった。

そのため、州政府を超えて、当時流行り始めていた薬物を連邦政府が取り締まるには、「税」の観点から麻薬を取り締まればいいじゃん。と、いうことで爆誕したのがハリソン法の特徴。

(*3) 第二次アヘン条約

世界全体が協調して守っている麻薬全般を規制する条約、麻薬に関する単一条約の前身にあたる条約。

もともとは1912年にオランダのハーグで開かれたハーグ国際阿片会議で調印された初の薬物統制に関する条約。アヘンをグローバル全体で規制するために生まれた。

1925年に大麻製剤も規制対象に追加され、大麻がグローバルで公式的に禁止されはじめた。

(*4) DEA

Drug Enforcement Administrationの略、日本語ではアメリカ麻薬取締局。

アメリカ版のマトリ。DEAは麻薬を医療での有用性や依存性などをもとにドラッグの分類を行っている。スケジュールⅠ〜Ⅴまでの5段階で分類している。

大麻はスケジュールⅠに分類され、医療での有用性がなく、依存性も高いという評価を下している。

(*5) 統一州麻薬法令

アンスリンガーさんが1934年に制定した法令。

これを盾に「マリファナは人を発狂させ、性欲を刺激する、とくに黒人やヒスパニック系の移民たちがマリファナをやっていて、彼らの性欲が刺激される」

といった反マリファナ・キャンペーンを展開した。当時メキシコ系移民が増えて、人種問題に過敏になっていたアメリカ人の恐怖感を煽ったのだ。

(*6) リチャード・ニクソン

アメリカ第37代大統領(在任: 1969年1月20日 - 1974年8月9日)。

ニクソンは当時アメリカで深刻だった麻薬問題に対して強硬な態度をとり続けた。

1970年には特定の麻薬の製造、輸入、所有、流通を禁止した規制物質法の策定を行い、

1973年5月には、国外におけるアメリカの麻薬捜査の調査および追跡に関する単独責任を有するDEAを設置。

大統領としてのニクソンの結末は不名誉なものだった。世界史的にはウォーターゲート事件として有名である。

大統領選挙の予備選挙が最終盤の1972年6月に起きた民主党全国委員会本部への不法侵入と盗聴事件でアメリカ史上初めて大統領任期中に辞任した。

(*7) 非犯罪化

非犯罪化は法の形式的には違法であるものの、特定の状況下においては当該地域の法務当局によって免除されることが合意されており、摘発が行われないことを指す。

例えば、オランダのコーヒーショップは典型的な事例。また、ポルトガルやスペイン、イタリア、オーストリアにみられるように、

国際条約との関係上、形式的には違法であるとされていても全土で実質的には摘発が行われず、実質的には合法化に近い状況がある。

(*8) Summer of Love(サマー・オブ・ラブ)

1967年夏にアメリカを中心に巻き起こった文化的、政治的な主張を伴う社会現象。

最大で10万人がカリフォルニア州サンフランシスコのヘイト・アシュベリー周辺に集まった。

パフォーマーにはグレイトフル・デッドなどの人気バンドも多数いた。

サンフランシスコ以外にも膨大な数のヒッピーがニューヨーク、LA、シアトル、ポートランドなどの各都市に集った。

当時のサンフランシスコは音楽、芸術、ドラッグ、フリーセックスなどカウンターカルチャーの中心地だった。

1980年代にもこれと似たようなムーブメントが今度はイギリスを中心に起こった。

そちらはセカンド・サマー・オブ・ラブと呼ばれている。当時流行したエクスタシーというドラッグが背景だといわれている。

(*9) ハイタイムズ

1974年にはじまった大麻をトピックの中心置く雑誌。もともとは紙からはじまり、いまではWebメディアもある。創刊初期はコカインの特集を行うこともあったとか。

編集者のひとりのスティーブンヘイガーさんは、オランダではじまったカナビスカップという、その年のベスト大麻を決める世界的なコンテストの創始者でもある。

(*10) グリーンラッシュ

大麻ビジネスが世界中で急成長する現象をグリーンラッシュという。

19世紀に起こったゴールドラッシュになぞらえてそう呼ばれている。

実際の盛り上がり方は本文で書いた通り。

(*11) NORML

The National Organization for the Reform of Marijuana Lawsの略。

大麻使用に関する規制緩和を主張するワシントンD.C.で設立された社会福祉団体。

「大麻の個人所有、および成人による責任ある利用、また個人での利用を目的とした栽培、および嗜好用に少量を運搬することに対する罰則をすべて無くす」

ことを目標としている。

 

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