戦場を生き延びた兵士に発症することが多いと言われるPTSD。厚生労働省によると、日本の総人口の1.3%の人が患っており、現在でもめずらしい病気ではありません。
限られた治療法しかない中で、CBDがPTSDに効果的だと聞いたことがある人もいるかもしれません。実際のところ、CBDは現状ではまだ確実に有効だとは言い切れませんが、有望であるという研究結果も複数あります。
この記事では、CBDのどのような作用がPTSDに効果的だと考えられているのか、反対に、効果的ではないとされる側面はどのような点なのかを解説します。
また、CBD原料に関する詳しい情報をお探しの方は下記よりご覧ください。
1. PTSDにはCBDの「抗炎症作用」が有効?
PTSD(Posttraumatic Stress Disorder)は日本語で「心的外傷後ストレス障害」とも言い、生死に関わるような精神的衝撃が原因で、不安感や孤立感、緊張感などのストレス症状が生じる状態です。
PTSDの症状は主に以下の4つが挙げられます。
症状の名称 | 具体的な症状 |
侵入症状 | トラウマとなった出来事に関する不快で苦痛な記憶が突然蘇ってきたり、悪夢として反復されます。また思い出したときに気持ちが動揺したり、身体生理的反応(動悸や発汗)を伴います。 |
回避症状 | 出来事に関して思い出したり考えたりすることを極力避けようしたり、思い出させる人物、事物、状況や会話を回避します。 |
認知と気分の陰性の変化 | 否定的な認知、興味や関心の喪失、周囲との疎隔感や孤立感を感じ、陽性の感情(幸福、愛情など)がもてなくなります。 |
覚醒度と反応性の著しい変化 | いらいら感、無謀または自己破壊的行動、過剰な警戒心、ちょっとした刺激にもひどくビクッとするような驚愕反応、集中困難、睡眠障害がみられます。 |
PTSDは3カ月以内に半分以上の人が自然回復するものの、1年以上経っても一定数の人は自然回復しないとする研究もあります。
人対人のカウンセリングによって行われる特殊な治療もいくつかあり、段階的に現実の事物や過去の記憶などの刺激に触れる「持続エクスポージャー療法」(PE)や、考え方や捉え方の幅を広げていく「認知処理療法」(CPT)、トラウマの原因を思い出しながら治療者の指を目で左右に追っていく「眼球運動脱感作療法」(EMDR)などが挙げられます。
また、PTSDにはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)といった抗うつ薬も有効と言われています。
このように治療法の選択肢はいくつかありますが、一番は信頼できる人に話を聞いてもらい、自然回復するのが良いでしょう。それでも解決しない、もしくは、いま既にある治療法には抵抗がある、という人の多くが「CBDってPTSDに効果的なの?」と気になっているかもしれません。
次の章で詳しく説明しますが、CBDがPTSDに効果的だと考えられている理由は、CBD自体に「抗不安作用」があると言われているためです。
<参考文献>
2. CBDがPTSDに有効だと言われる理由
医療効果としてはまだ確実なことは言えませんが、CBDには「抗不安作用」があると言われている研究報告がいくつかあります。
その抗不安作用がPTSDに効果的だと考えられている理由は二つあるので、それぞれ説明します。
①精神疾患に効果的な可能性があるから
CBDが抗不安作用を持つ場合、PTSDに限らずさまざまな精神疾患の治療に役立つ可能性があるでしょう。実際にいくつかの研究報告もあります。
2019年に海外で行われた研究によると、11人のPTSD患者に対してCBDを経口投与を行いながら、精神科の薬の服用と心理療法を8週間同時並行して進めたところ、10人の患者のPTSD症状が低下していたことが報告されています。
医療専門誌『Cannabis and Cannabinoid Research』に掲載された論文では、CBDはてんかん、不安障害、うつ病、統合失調症後期精神病、炎症性疾患、ジストニア、悪心、および嘔吐を含む多くの疾患において、副作用を引き起こすことなく治療的価値がある可能性が言及されました。
さらに日本国内でも、関西福祉科学大学保健医療学部と医療法人社団日翔会が行った研究によると、CBDは、抗炎症作用、鎮痛作用、制吐作用、抗不安作用や糖尿病、癌、アルツハイマー病などの予防や治療の有効性があると言われています。
このように、さまざまな研究機関でCBDの抗不安作用が注目され始めているため、精神疾患の治療に対しCBDのポテンシャルは高いと言えるでしょう。治療レベルではまだ確実なことが言えなくとも、海外ではCBDにリラックス作用を求める人も増え始め、新たな嗜好品としても受け入れられてきている事実もあります。
<参考文献>
②睡眠障害に作用したエビデンスがあるから
PTSD患者は、侵入症状により悪夢を見たり、覚醒症状で常に気持ちが張り詰めたりすることがあり、不眠症などの睡眠障害を起こしやすい状態にあります。CBDは、睡眠障害を改善させるエビデンスが多く認められているため、PTSDに効果的だと言われています。
2012年の研究では、CBDをマウスに摂取させたところ、脳が休息していない状態の「レム睡眠」を減少させたことがわかりました。
そもそも、大麻や大麻に含まれるカンナビノイド(CBDを含む)の睡眠に対する効果は数多く研究されてきています。厚生労働省によると、大麻やカンナビノイドを摂取している人において、睡眠の質の向上、睡眠障害の減少、または眠りにつくまでの時間の短縮に関するエビデンスが多く認められているようです。
しかし、大麻や大麻に含まれるカンナビノイドの製品が直接影響を与えたのか、疾患の症状が改善したために睡眠が向上したのかどうかは不明。エビデンスはありつつも、医療観点ではっきりとした効果を謳えないのが現状です。
<参考文献>
3. CBDの摂取で副作用がないとは断言できない
CBDがPTSDに効果的であるエビデンスがあるものの、人によっては副作用を感じる場合がある可能性も否定はできません。
しかし世界保健機関のWHOによれば、CBDを摂取した患者の状態から「毒性あるいは重篤な副作用の兆候なく、すべての患者に忍容性があった。」「CBD は、良好な安全なプロフィールをもち、一般的に良好な忍容性(許容性)がある。」と報告しています。これは、例え副作用があったとしても極めて小さいことを意味しているのです。
今後研究がさらに進めば、副作用を心配することなくCBDをさまざまな治療に使用できる日がくるかもしれません。
<参考文献>
4. もしCBDをトライするなら「経口摂取」がおすすめ
CBDがPTSDの治療に効果的かどうか、現段階ではっきりとしたことが言えません。しかし先ほども少し触れたように、海外ではCBD製品が嗜好品として受け入れられ始め、新たなリラックスの手段になってきている流れもあります。
CBDを摂取した体感を味わってみたいけど、抱えている病気に悪影響を及ぼさないか不安もある、という人は、吸収率が高くならない「経口摂取」が良いでしょう。
CBDは、摂取する体の部位によってCBDの吸収率(別名:バイオアベイラビリティ)が異なります。
摂取方法 | 商品種類 | 作用発揮までの時間 | バイオアベイラビリティ (吸収率) |
舌下 | オイル、タブレット | 15分〜30分 | 6〜20% |
経鼻 | オイル、スプレー パウダー等 |
10分以内 | 34〜46% |
肺 | ベイプ | 2分〜15分 | 17〜44% |
経口 | クッキー、ナッツ、グミ | 30分〜90分 | 6〜15% |
経皮 | バーム | 15分〜30分 | 〜90% |
口から経口摂取するクッキーやナッツなら作用発揮までの時間も緩やかで、なおかつ吸収率も他の部位に比べると高くないのでおすすめです。
5. CBD含有量少なめ!経口摂取できるCBD製品2選
それでは、CBD製品をちょっと試してみたい!と思ったあなたにおすすめの商品を二つご紹介します。
どちらも経口摂取できるので吸収率は高すぎず、効き目も緩やか。初めてCBD製品を試す人におすすめです。
①CBDおからクッキー・Odisea(CBD105mg)
内容量 | 7枚 |
CBD量(1枚) | 10㎎、15㎎、25㎎の3種類 |
CBD抽出方法 | ディスティレート |
価格(税込) | 2140円 |
原材料 | 有機食用ココナッツオイル、おからパウダー(大豆(国産))、てんさい糖(てんさい(北海道))、きび砂糖、もち粉(もち米(富山県産))、有機麻の実、有機麻の実粉末、CBD |
製造国 | 日本 |
CBDおからクッキーは1枚あたりのCBD含有量を10㎎、15㎎、25㎎の3種類から選ぶことができ、10㎎か15㎎なら多すぎないので高濃度のCBD製品に抵抗がある人におすすめです。
原材料にはこだわりがあり、白砂糖や添加物、卵や乳製品、その他動物性原材料などを使っていないので、アレルギーや宗教上の理由で肉食を避けている人などでも食べられます。気軽に持ち運べ、おやつ感覚でCBDを摂取できるのはいいですね!
②CBDクッシュナッツ・EUPHORA(CBD100mg)
内容量 | 50g |
CBD量(1粒) | 約3mg |
価格(税込) | 2900円 |
原材料 | カシューナッツ、アーモンド、エキストラバージンオリーブオイル、ソルト、ガーリック、CBD、ローズマリー、ブラックペッパー |
製造国 | アメリカ・カリフォルニア |
CBDクッシュナッツは、一粒あたりのCBD含有量が約3mgと先ほどのクッキーよりも少なめです。まだ一回もCBDを摂取したことがない人や、もし体感がわからなくても通常のナッツと同じように食べればいいと割り切れる人におすすめです。
ソルト、ガーリック、ローズマリー、ブラックペッパーで味付けされているので、お酒のおつまみにも良さそうですね。
6. 最後に
結論としては、CBDがPTSDを含む精神疾患に有効であるエビデンスはいくつかあるものの、確実な効果ははっきりと言えないのが現状です。
とは言え、精神的なリラックス効果も期待されているCBD。気になった人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
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