この記事は、CBDV(カンナビビバリン)とは何か?について解説しています。
レアカンナビノイドの一種であるCBDVの効果・機能性、違法なのか?等について網羅的に知りたい方向けの記事です。
また、CBD原料に関する詳しい情報をお探しの方は下記よりご覧ください。
1. CBDVとは何か?
1-1. CBDVとは何か?
科学者たちは、1970年代初頭にCBDVとTHCVという2つのバリン・カンナビノイドについて発見しました。
CBDVはCBDと同様の効果効能を示していますが、CBDVについては、最近まで研究があまり進んでいませんでした。
その理由は、CBDVが大麻草に1%以上の濃度で含まれることがほぼないからです。そのため、医学研究に使えるほど大量にCBDVを調達するのが難しく、コストがかかってしまいます。
CBDはCBDVよりも入手しやすく、生産コストも安く、同等の効果効能が期待できるため、ほとんどの研究者がCBDに注目してきました。
因みにCBDは大麻草に20~30%の濃度で含まれています。
1-2. バリンカンナビノイドとは何か?
バリンカナビノイドは、アルキル側鎖に3つの炭素を持つことを特徴とするカナビノイドの一種です。
最もよく知られているバリンカンナビノイドは、THCV、CBDV、CBGV、CBCVです。
CBD、CBC、THCといった従来のカンナビノイドは、いずれも炭素数が3つではなく5つあります。
この側鎖の炭素数は、さまざまな受容体に対する結合親和性に影響を与えるため、重要です。
バリンカンナビノイドの短い側鎖は、CB1やCB2受容体に対する結合親和性は低いが、TRP受容体に対しては高い親和性を持ちます。
2. CBDVの効果効能
CBDVは、CBDと同じような効果効能を多く持っています。
慢性的な痛みの緩和、不安の軽減、睡眠の改善、筋肉の弛緩などに役立つと報告されています。
CBDVの効果効能について、医学的エビデンスに基づき、その詳細を紹介していきます。
2-1. 吐き気
動物実験では、CBDVとTHCVはともにラットの毒素誘発性の吐き気を防ぐことができたとされています。
吐き気の反応には、エンドカンナビノイドシステム(以降、ECS)が深く関わっています。ECSがブロックされると、私たちは吐き気を感じるのです。ECSが刺激されると、吐き気の症状は改善されます。
出典:Evaluation of the potential of the phytocannabinoids, cannabidivarin (CBDV) and Δ(9) -tetrahydrocannabivarin (THCV), to produce CB1 receptor inverse agonism symptoms of nausea in rats
出典:Effects of Rimonabant on Metabolic Risk Factors in Overweight Patients with Dyslipidemia
2-2. 自閉症スペクトラム障害
CBDVは、自閉症スペクトラム障害(以降、ASD)に付随する一般的な健康状態の多くを緩和するのに役立つというエビデンスがあります。
ある研究では、CBDVは、興奮性神経伝達物質のグルタミン酸と抑制性神経伝達物質のGABAのバランスを変化させることによって、ASDと診断された患者の急性不安を軽減できることを発見しました。
出典:Effects of cannabidivarin (CBDV) on brain excitation and inhibition systems in adults with and without Autism Spectrum Disorder (ASD): a single dose trial during magnetic resonance spectroscopy
2-3. レット症候群
レット症候群は、発症者が少なく、治療が困難と言われる遺伝性疾患です。
治療法がないため、治療は障害の症状を管理し、生活の質を向上させることが中心となります。
CBDVはレット症候群に苦しむ人々のための新しい治療法の選択肢になるかもしれず、注目を集めています。
動物研究では、実験的なレット症候群モデルにおいて、CBDVがこれらすべての要素にベネフィットをもたらすことが実証されました。CBDVが社交性の欠如や協調運動障害を改善し、患児のマウスの脳重量を正常化しました。
出典:Chronic treatment with the phytocannabinoid Cannabidivarin (CBDV) rescues behavioural alterations and brain atrophy in a mouse model of Rett syndrome
2-4. デュシェンヌ型筋ジストロフィー
イタリアの国立研究評議会が発表した研究で、デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤(以降、DMD)の3つの根本的な原因に対するCBD、CBDV、THCVの効果が発表されました。
研究チームが発見したのは、CBDとCBDVが、筋幹細胞の機能や筋組織内の持続的な炎症を回復し、欠陥のあるオートファジーを減衰できるということでした。
これらの結果をもたらすには、CBDやCBDVを一貫して高用量摂取する必要があるとのことです。
出典:Effects of non-euphoric plant cannabinoids on muscle quality and performance of dystrophic mdx mice
2-5. 難治性てんかん
CBDVの抗てんかん作用を探るという点では、GWファーマシューティカルズ社のCBDVを用いた次期薬(GPW42006)の開発が先行しています。
動物実験ではCBDVが化学物質で誘発された発作を抑制できるという説得力のある証拠がありましたが、焦点発作に関する第II相臨床試験では期待外れの効果であることが証明されました。
同社は現在、CBDベースの医薬品・エピディオレックスの開発を通して、てんかんの研究に集中し、CBDVの研究を自閉症スペクトラム障害患者向けにCBDVを用いた医薬品の研究に集中しています。
出典:Cannabidivarin (CBDV) suppresses pentylenetetrazole (PTZ)-induced increases in epilepsy-related gene expression
出典:Cannabidivarin is anticonvulsant in mouse and rat
3. CBDVは違法か?
2024年5月現在、違法ではなく、日本においては合法で利用することができます。
CBD系列の成分であり、精神活性作用がないため今後規制されるリスクも少なく、原料として取り扱ったり、製品応用との相性は良いと言えるでしょう。
また現時点で、どのカンナビノイドが規制されているのか、網羅的に知りたい方は以下をご覧ください。
加えて、個別成分ごとに、規制状況や効果・機能性等を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
THCAとは何か?違法?合法性や効果機・能性等について解説!
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4. CBDVの作用機序
CBDVは身体でどのように機能するのか?
CBDVはCBDと非常によく似ていますが、いくつかの明確な違いがあります。
4-1. エンドカンナビノイドシステム
エンドカンナビノイドシステム(以降、ECS)は、体内のほぼすべての臓器に関与しています。
このシステムは、臓器間のコミュニケーションネットワークのように機能しています。
神経細胞が情報を送る一方で、エンドカンナビノイド系は逆に、メッセージを受け取ったことを送信者に知らせます。
これは重要なことではないように思われるかもしれませんが、身体に大きな影響を与えます。ECSが適切に機能していないと、不眠、不安、月経不順、痛み、偏頭痛などさまざまな症状が現れます。
緑内障、過敏性腸症候群、生理痛、PTSDなどの慢性疾患には、エンドカンナビノイド不足が根本原因ではないかという説もあるほどです。
CBDVは、CBDと同じようにECSと相互作用します。
ただし、効力はCBDの25%程度と考えられています。
THCとは異なり、CBDとCBDVはECSを直接刺激したり抑制したりすることはありません。その代わりに、それらは調節作用を持っています。つまり、身体内部の条件に応じて、これらの受容体の感度を増加または減少させることができるのです。
CBDVはまた、DAGLɑ(ジアシルグリセロールリパーゼ)という酵素を阻害することが示されています。
DAGLɑは、その前駆体であるジアシルグリセロールからエンドカンナビノイドの2-AGを合成する主要な酵素です。
出典:Effects of cannabinoids and cannabinoid-enriched Cannabis extracts on TRP channels and endocannabinoid metabolic enzymes
4-2. TRPチャネル
TRPチャネルは、体中に張り巡らされたセンサーのような役割を担っています。
有害な化学物質や危険な高温/低温を感知すると、神経系に警告を発します。
唐辛子、ワサビ、からしなどの食品は、TRP受容体を活性化し、これらの食品を食べたときに特徴的な「辛さ」を感じます。
このため、TRPA1をワサビ受容体、TRPV1をカプサイシン受容体と呼ぶことがあります。
TRPチャネルが様々な病気とどのような関係にあるのか見てみましょう。
偏頭痛の原因には、TRPA1の過剰な刺激が関与していると考えられており、特にタバコの煙、特定の香り、高熱、寒冷などによって誘発されると言われています。
また、ある種のてんかんの症状や神経障害性疼痛も、TRPの機能障害に起因すると考えられています。
CBDとCBDVはともに、TRPA1、TRPV1、TRPV2、TRPV3などの特定のTRPチャネルを仲介することが発見されています。
CBDはECSへの影響が強いと考えられており、CBDVはTRPチャネルへの影響が強いとされています。
つまり、偏頭痛、神経障害性疼痛、てんかん、痛みに対する過度の感作など、TRPの機能不全に関連する症状に対しては、CBDVはCBDよりもさらに優れた効果を発揮するでしょう。
また、変形性関節症に由来する痛みには、TRPチャネルが関与しているという研究結果もあります。
カンナビノイドのTRPチャネルへの影響を探る研究では、様々なカンナビノイドのTRPチャネルへの影響を比較しています。
この研究では、CBDVはCBD、THC、CBG、CBC、CBN、CBGVよりもTRPチャネルに大きな影響を与えましたが、THCVよりも作用が弱いことが分かりました。
5. CBDVとCBDの違い
構造的には、CBDとCBDVはほぼ同じです。
唯一の違いは、側鎖の1つに含まれる炭素原子の数です。
CBDはペンチル基を持ち、この鎖の中に5つの炭素があることを意味します。CBDVはプロピル基を持ち、これは炭素数が3つしかないことを意味します。
炭素原子が2つ違うだけで、これらの化合物が身体と相互作用する方法は大きく変わります。受容体への結合や効果効能、代謝に至るまで、すべてが変化します。
一般的に、CBDは全身の痛みや炎症に対してより強力なカンナビノイドです。
また、発作や強迫性障害の緩和にもより効果的であることが証明されています。
CBDVが優れているのは、TRPチャネルと相互作用する能力です。
このため、CBDVは、神経障害性疼痛、筋ジストロフィー、自閉症スペクトラム障害など、これらのイオンチャネルが関与する疾患に対してより効果的となる可能性があります。
6. CBDVの化学構造
CBDVの化学式はC19H26O2、モル質量は286.415g/molです。
7. CBDVの安全性と副作用
海外では、CBDVの副作用は非常に限定的であり、比較的高い安全性を持っていると考えられていますが、明確な安全性を示す十分なエビデンスが積み重なっているとは言えない状況です。
8. CBDVの希少性
レアカンアビノイドと言われるだけあり、CBDVはCBDに比べて麻に含まれる量がとても少なく、CBDVのみを採ってその効果を調べるのには大きな費用がかかります。
それによりCBDVの研究や生産等が限られていたりするため、その希少性は高いと言えるでしょう。
9. CBDVの可能性
CBDV には精神活性作用はなく、自閉症スペクトラム障害(ASD)、筋ジストロフィー、難治性てんかん等、幅広い治療用途での研究がなされており、その可能性は高いと言えるでしょう。
アメリカのCBD業者であるcannactivaは、「CBDV数年後にはおそらく他のカンナビノイドよりもさらに魅力的なものになる可能性があります。」と述べており、今後の研究や産業への応用が期待できます。
10. CBDVは薬物検査に引っかかるか?
ドーピング検査は通常、THC とその代謝物の検出に焦点を当てています。
CBDV は THC に比べてあまり知られていないカンナビノイドであり、精神活性作用がないため、検出の点では関心がありません。
現在、定期的なテストではCBDVは考慮されておらず、標準的な薬物検査で CBDV 陽性反応が出る可能性は非常に低いです。
11. tokyo mooon 高品質CBD原料とOEMのご紹介
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②製造工程における各種認証
③大手企業との取引実績
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